週末、17歳の少年を見るために、100人のスカウトがネバダに集まった。少年の名はブライス・ハーパー。6月のドラフトで1位指名される可能性もある、将来が楽しみな選手だ(2月2日付スポーツ・イラストレイテッド)。

 少しでも早くメジャー入りしたかったハーパーは、高校2年で飛び級し、2009年にサザン・ネバダ大学に入学した。ネバダでは有名な高校野球選手だったが、昨年、スポーツ・イラストレイテッドの表紙を飾ってからアメリカ中の注目を浴びるようになった。

 2年のときに16歳で502ft(約153m)の特大ホームランを放ち、そのビデオはYouTubeで60万回以上も視聴されたほどで、ずば抜けたパワーの持ち主だ。ポジションは主に捕手と右翼だが、ショート、サード、センターもこなし、投手としてもかなりの速球を投げるといわれている。

 昨年は夏のあいだ、アメリカ代表(U-18)として世界各地を転戦した。先週末、大学のレギュラーシーズンが始まり、ハーパーの大学野球デビューとなった。

 サザン・ネバダ大学のティム・チェンバース監督は、ハーパー一家と親交があり、6歳だったハーパーのバッティングを見て、その才能を見抜いたという。今は野球に専念させるため、本人への取材はいっさい断っている。

 金曜日の試合には、およそ100人のスカウトとMLBの役員などが顔を出し、ドラフトで1位指名権を持っているナショナルズからは、アシスタントGMを含む5名が視察に来ていた。

 身長約190cm、体重約93kgという体格で、すでにメジャーリーガーの風格を備えている。しかし、年長の選手が相手で、さらに慣れない木製バットを使っているせいもあって「いい選手だけど、ボールを追いかけて身体が伸び上がる打席も見られた。もう少し見てみないとわからない」とスカウトの目は厳しい。

 週末の4試合でヒットは3本と、ほろ苦いデビューとなったが、12歳のときに、すでに場外ホームランを打っていたといい、高校では570ft(約174m)の超特大も記録しており、先が楽しみな17歳であることに変わりはない。