FIFAは18日、フランス代表FWティエリ・アンリに対して何の処分も科さないことを決定した。アンリは昨年11月に行われたアイルランド代表とのワールドカップ(W杯)予選プレーオフ・セカンドレグで、ウィリアム・ギャラスの決勝点をアシストした際にハンドの反則を犯していた。このゴールでフランスは南アフリカ行きを決め、ジョヴァンニ・トラパットーニ監督率いるアイルランドは予選敗退となtっている。

FIFAの規律委員会は発表のなかで、アンリのプレーを「問題と考え得るだけの法的根拠はないという結論に達した。なぜなら、手でボールを触ることを、深刻な(ルール)違反として扱うことはできないからだ」とし、「審判団が見なかったあらゆる件について、規律委員会が処分を科すことができる」規則は存在しないと強調している。

出場停止は避けられないと見る向きが多かったアンリだが、これによって、南アフリカでのW杯本大会でレイモン・ドメネク監督がすぐに起用できることとなる。プレーオフ終了後、アイルランドは再試合を要求し、アンリ自身も試合をあらためて行うことが正しいだろうと発言していた。しかし、FIFAは12月2日に再試合の要求を却下し、ジョセフ・ブラッター会長はアンリに対する規律処分調査を行うと明らかにしていた。そして今日、議論を呼ぶ決断が下されたのである。