■第6試合ライト級/5分3R
ショーン・シャーク(米国)
Def.3R終了/判定
タイソン・グリフィン(ブラジル)

互いに距離を見極めるように、慎重な立ち上がりから、グリフィンが細かいフックを放っていく。ここでテイクダウンを奪ったシャークは、そのままバックマウントへ。立ち上がって、自らのコーナーに移動したグリフィンは、足を払いあげてシャークを前方へ落とした。

すぐに立ち上がり再び打撃の展開になると、首相撲から右足を引きよせたシャークがテイクダウンを奪う。右手をついて、ケージに背中を這わせて立ち上がるグリフィン。左フックを放ったシャークに、グリフィンが右フック、そしてローキックをヒットさせると、踏み込んでローキックを放ったグリフィンに対し、シャークの右がヒット。コンパクトな打ち合いが続く。

ステップイン、ステップアウトを続けるグリフィンはハイキック、そしてテイクダウンを狙う。がぶってバックに回ったシャークは、再びバックマウントへ。またも立ち上がったグリフィンだったが、シャークは自ら足をつき、打撃の展開へ。

ラウンド終盤、左フックをヒットさせたグリフィン、シャークも負けじと左アッパー&フックをヒットさせる。

2R、左ミドルを放ったシャーク、グリフィンのステップインを防ぎ、そのまま片足タックル。立ち上がろうとしたグリフィンにパンチを見舞っていく。テイクダウンを狙ったグリフィンにヒザを合わせようとしたシャークは、その後も小気味よい左、右フックを放っていく。

左フック、左アッパーなどコンビネーションを見せたシャーク、グリフィンは低い姿勢から左ボディを放つ。しかし、このラウンド中盤でグリフィンは口を開き、肩で息をするように。テイクダウン狙いから、パンチに切り替えたシャークだが、ここでグリフィンが左を打ち抜く。バランスを崩す場面が増えてきたグリフィンに、シャークはコンパクトなパンチを打ち続けた。

3R、勝負をかけて前進したグリフィンの右がヒット。動きが一瞬止まったシャークだが、すぐに立ち直り左フックからアッパーを打ち込んでいく。シャークの左に、右アッパーを合わせるグリフィン。両者、リーチが短いこともあり、インサイドでの攻防が3Rに渡って続く。

テイクダウン・ディフェンスに絶対の自信があるのか、ガードをしっかり上げて戦うシャーク。グリフィンは後ろ重心で、踏み込んでパンチを放った直後も、スウェイでシャークのパンチをかわすという優れたフィジカルを見せる。

さすがに運動量が落ちたラウンド後半――。しかし、残り1分となり再び距離を詰めてのパンチ、ローキックが交錯する。最後まで距離を支配していたのは、シャーク。コンパクトなパンチの分、やや遠い距離でも拳がヒットしたシャークに、対するグリフィンのパンチは軌道がやや外回り。ヒットしたときのインパクトはグリフィンだが、精度ではシャークという打ち合いだった。

判定は30−27、29−28、29−28でシャーク。勝者は「(タイソン・グリフィンは)10歳も若いからね、凄く練習をしたよ。家族、チームメイトがずっと助けてくれた。また、タイトルに挑戦したい。僕の方がパンチを当てた数が少し多くて、テイクダウンも何度かとれた。判定は僕がつく自信はあったよ」と試合の印象を語り、悪夢のBJ・ペンから復活を果たした。

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