雑誌の付録といえば?
学研の「かがく」「がくしゅう」の付録で万華鏡を作ったり、それから少女漫画の「りぼん」の全員プレゼントも欲しかったなぁ…、なーんて、子供の頃の優しい追憶の中の物だった付録が、ここ最近にきて、大人の女性をトリコにしている。
女性誌の付録、人気ブランドとコラボしたポーチにバッグと思わず目を惹くステキ付録が競演するなか、今回なんと、セクシーなガータベルトが付録!という雑誌が発売された。
女性誌の「付録戦争」は、どんどん加熱する一方だ。

付録にガータベルト、と攻めてきたのは、女性誌「LOVE FASHION! JO」。女性向けのマーケティング事業を手掛けるディーティーエルジェイが、2008年3月13日に、10代後半から20代前半むけに創刊した。楽しむことに貪欲で、自己主張のできる女性「強め大人ギャル」スタイルを提案するファッション誌だ。

今までも、豪華付録は多々あれど、前代未聞のセクシー下着が付録ということで、発売日当日には「mixi」のキーワードランキングで2位に躍り出た。
ついてくるガーターベルトは、黒いレースの「魔性系」。ギャル系ファッションブランド「EGOIST」とのコラボレーションというから、ブランド好きのオシャレ心も満たしてくれる。「女性誌の付録の約半数がバッグやポーチなどの袋物で、差別化を図るためにガーターベルトを選んだ」「男性も購入したと聞いている。今後も自分で買うには抵抗感のあるような、ちょっと大人めのグッズを付録にしたい」と山崎みしえる編集長。

それにしても、ここ最近の女性誌の付録は、本当に豪華だ。
人気ファッションブランドとコラボレーションしたポーチやバッグ、アクセサリー、ファイルやノート、なかには、折り畳み傘やビーチサンダルなど、雑誌と付録、どちらが主かわからないようなものまである。
日本雑誌協会(JMPA)によると、女性誌を中心に豪華な付録が登場したのは5、6年前から。低迷する雑誌の売れ行きを回復させようと、出版社が試行錯誤して目玉となる付録を生み出している様子が伺える。
一方で、一度付録を付けたら、「続けなければ売れない」という。JMPAの関係者によると、なかには付録だけで数千円するものもあるとか。付録をつけなくなった途端に雑誌が売れなくなり、廃刊になるというケースも散見されるそうだ。

雑誌は本よりも情報が早く、ネットよりも信憑性がある。雑誌の愛読者としては、付録合戦のような、本業とはそれたところで体力を消耗し、廃刊になるなんて惜しすぎると感じてしまう。
とはいえ、昨今の各誌の付録の豪華さには、かなり惹かれるのも確か。エコバッグやらポーチやらに惹かれて、愛読ではない雑誌を購入し、そのまま読者になった経験もある。
その点、今回のガータベルト付録は、アイデアで勝った感がある。
ガータベルトは、あんなに布の量が少ないのに、買うとなるとけっこう高い。なによりお店で買うのにためらいがある人も多いと思われるが、くれるとなるとけっこう欲しい。一度は身に着けてみたいと思うものの一つだろう。

これからの付録競争、出版社の体力とアイデア勝負と言えそうだ。

(編集部 上芝まいこ)