元公安部長「日本はスパイ天国」
![19日、日本外国特派員協会で講演し、「日本はスパイ天国」と話す元公安調査庁調査第二部長の菅沼光弘氏(撮影:佐谷恭)](https://image.news.livedoor.com/newsimage/5/7/586c07f6c1bce9654b-m.jpg)
菅沼氏はカウンターインテリジェンス(防諜)に対する法制度の不備を“1つの原因”とした上で、「日本人には自国を守る意識が乏しい。自分で自分を守る心のない国に秘密などあるわけがない」と力を込めた。安倍晋三首相が提唱する日本版の国家安全保障会議(NSC)についても触れ、「新しい情報機関は、金とヒトを集めればできるものではない。情報の収集・分析には十分な経験と豊富な蓄積が不可欠」と述べた。
また、日本の祭りや芸能がやくざと渾然一体となって発展してきたこと、NHKが『清水の次郎長』を放映していることなどを指摘し、「日本にはやくざを歓迎し、あこがれ、肯定する気持ちがあるからこそ、やくざが日本社会に浸透できる」と持論を展開。さらに、名古屋の超高層ビル「ミッドランドスクエア」(名古屋市中村区)や中部国際空港(愛知県常滑市)の建設に、トラブルが何もなかったことに疑問を呈した上で、企業とやくざの結びつきにも言及し、「地元の大手企業が仕事をする上で、絶対にやくざを必要としているハズ」と述べた。証拠については「いくら調べても出てこない」としたが、「証拠がないのは、その事実がないということではない」と話し、自らと親交のある関係者から情報を得ていると情報のプロらしい話を披露した。
北朝鮮問題について、「想像でしかないが、船舶の往来禁止により、隠れて流入している覚せい剤やスーパーKなどが流通しないことで、それで資金を得ていた軍や工作機関は大きな影響を受けるだろう」と話した。朝鮮総連については「警察からの干渉を恐れているが、理由がないと法的措置は講じられないので、ただちに警察が動く可能性はゼロに近い」との意見を述べた。【了】