クルマからのゴミのポイ捨ては立派な違法行為

「ゴミはゴミ箱に」、「ゴミのポイ捨てはルール違反」。こんなことは子供でも知っているはずなのに、免許を持っているドライバー、つまり18歳以上になっても、クルマからタバコやタバコの灰、ペットボトル、空き缶、コンビニの袋などのゴミを、良心とともにポイッと捨ててしまう不届きものがときどきいる。

 本人はマナー違反ぐらいに軽く考えているかもしれないが、立派な危険行為であり、違法行為だ。違反者には当然ペナルティが待っている。その主なものを上げてみよう。

道路交通法違反

●道路交通法第五章「道路の使用等」(道路における禁止行為等)第七六条

 第4号 「石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること」

 第5号 「前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること」

 これらに該当する者は、これを拘留又は科料に処するとあり、違反者は5万円以下の罰金になる。

軽犯罪法違反

●軽犯罪法第1条

 第25号 「川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者」

 第27号 「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」

 違反者は拘留又は科料に処するとあり、その罰則は、刑事施設への拘置1日以上30日未満、罰金1000円以上10,000円未満となっている。

各市町村が独自に定めている条例も存在!

市町村などの「ポイ捨て禁止条例」違反

 各市町村が独自に定めている「ポイ捨て禁止条例」などに抵触する場合も少なくない。とくにタバコの場合は、路上喫煙禁止条例と絡めて違反になるケースがある。

 例えば、東京都品川区には、「歩行喫煙および吸い殻・空き缶等の投げ捨ての防止に関する条例」があり、違反者に対して1万円以下の過料(1,000円)というルールになっている。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の違反

 ポイ捨ては、いわゆる不法投棄にもなる。廃棄物処理法の「廃棄物」とは、「ごみ・粗大ごみ・燃えがら・汚泥・糞尿・廃油・廃酸・廃アルカリ・動物の死体・その他汚物・その他不要物」のことで、「不要物」とは、「占有者自らが利用し、または他人に有償で売却することができない物」であり、要するに価値のないもの=ゴミを正規の場所以外のところに捨てた場合、不法投棄で処罰の対象となる。

 不法投棄に対する罰則や罰金は意外に重く、「5年以下の懲役/1千万円以下の罰金または併科」と重罪だ。

 また、道路に不法投棄し交通に支障を及ぼす恐れを生じさせた場合、「1年以下の懲役/20万円以下の罰金」が待っている。

 このように、ポイ捨ては、タバコの灰から空き缶、ペットボトルと、その捨てたゴミの種類に関係なく、しかも未遂であっても処罰の対象になることになっている!

 モラルの低い人々は、ポイ捨てなんかで、つかまったり、罰金を食らうことなんてないだろう、とたかをくくっているかもしれないが、最近はいたるところに防犯カメラがあり、ドライブレコーダーも普及している。

 これらでクルマとその所有者が特定されれば、ポイ捨てだって検挙される可能性は十分あり得る。大事になる前に猛省し、ゴミはきちんと持ち帰るようにしてもらいたい。