短いムービーを投稿して共有する中国発のアプリTikTok(ティックトック)」は、若者を中心に大人気となりましたが、13歳未満の子どもへの保護が足りないことを理由に、アメリカで570万ドル(約6億3000万円)の罰金処分を課されることになりました。

Video Social Networking App Musical.ly Agrees to Settle FTC Allegations That it Violated Children’s Privacy Law | Federal Trade Commission

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/02/video-social-networking-app-musically-agrees-settle-ftc

子どものオンライン上のプライバシーを保護するアメリカの法律COPPAは、13歳未満のユーザーから名前、メールアドレス、その他の個人情報を収集する前に保護者の同意を要求しています。今回、Children's Advertising Review Unit(CARU)の申し立てに基づいて調査が行われ、アメリカのFTC(連邦取引委員会)はTikTokの法令違反を認定し、TikTokを運営する中国のmusical.lyに対して570万ドル(約6億3000万円)の罰金処分を課し、musical.lyが罰金支払いに合意したことが明らかにされました。なお、COPPA違反では過去最大の罰金額となる見込みです。

アメリカでは6500万人のユーザーを抱えるTikTokは、2017年11月に動画共有サービスmusical.lyと合併しましたが、今回のCOPPA違反となったのはmusical.lyアプリに含まれていた機能で、現在はTikTokアプリに引き継がれています。FTCによるとアメリカでのかなり多くのTikTokユーザーが13歳未満であり、運営者はそのことを認識していたとのこと。COPPA違反と認定されたTikTokでは、今後、13歳未満のユーザーのアカウント作成時には保護者の同意を必要とする年齢ゲートの運用を厳格化し、13歳未満の子どもがTikTokにムービーをアップロードできない措置を採り、最終的には13歳未満のユーザーによって投稿された全ムービーを引き上げることを検討しています。しかし、「子どもが年齢を偽ることで簡単に回避できてしまうのではないか?」という指摘もあり、実効性のある問題解決が行われるかは不透明です。

あくまでアメリカ国内の13歳未満のユーザーの情報保護規定違反による罰金を科されたTikTokですが、今回の事件はEUやアジア圏などでも同様のプライバシー順守を求められるきっかけになるのではないかという指摘もあります。

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