北海道帯広市にある「帯廣(おびひろ)神社」。2018年11月以降、この神社のオリジナルおみくじ「シマエナガみくじ」が超かわいいと大人気だ。

現在は品切れ状態だが、それでも「郵送してもらえないか」「予約はできないか」などの問い合わせが全国から来ているという。


「シマエナガみくじ」画像は帯廣神社より提供(以下同)

シマエナガは、「雪の妖精」とも呼ばれる野鳥で、そのかわいさはSNS上でも話題になっている。Jタウンネットは、帯廣神社の宮司・大野清徳さんに取材し、おみくじ誕生までの話を聞いた。

そのかわいさに一目ぼれ

そもそも、おみくじは神社ごとに独自に作れるものなのだろうか?大野さんに聞いてみると聞くと、おみくじやお守りは、既成の見本的なものを見て名称や神社名のみを指定して製作することが多いそうだが、オリジナルでも作れるとのこと。

大野さんは、既成の形状や意匠よりも神社の由緒や町の歴史、風土、又は日本神話などから意匠を考えることにより、おみくじやお守りにより想いが込められ、深い信仰や地域の発信にも繋がると思い、以前から考案を進めていたという。

「私たちの大切な自然、鎮守の杜にも目を向けてもらいたいと、私自身が3年前に帯廣神社の自然や野鳥を1年半かけて調査し、写真を撮りため『帯廣神社七十二候(しちじゅうにこう)』として小冊子を刊行致しました。
その調査の中で現れたのが、雪の妖精ともいわれています北海道にしか生息しないエナガの亜種『シマエナガ』でした。実際に私も一目ぼれする可愛らしさで、これをおみくじにしたいと奉製(制作)に着手しました」


境内に飛来したシマエナガ

大野さんによると、シマエナガみくじは陶磁器。焼き物と絵付けでどのように可愛らしく表現できるかが大きな課題だったという。

「特にこだわったのは、首をかしげた姿。奉製過程では、職人さんもシマエナガを知らなかったので、たくさん写真も送りましたが、試作段階では疑いもなくハトでした。正直笑いが止まりませんでしたが、同時に背筋に緊張が走りました。
というのも、以前ある会社がお土産ものに製作した陶磁器のイヌの置物の製作過程で、何度も試作を繰り返し苦労したけれど妥協はしなかったという記事を目にしたことがあったからです。職人さんもきっと精神的に疲れていたのではと感じました」


シマエナガみくじは、ひとつ500円

大野さんは、理想とする形状を早く再現できるようにと、自ら粘土でおおよその形を作って職人さんに送ったりもしたが、形状が決まるまでには想像以上に時間がかかったそうだ。

そして、絵付けは職人さんの元へ出向き、その場で描いてもらいながらゴーサインを出した。気が付けば、できあがるまでに約2年の時間を要していたという。

「数人の手をかり昔ながらの工程で一から奉製する大変さを味わっただけに生みの喜びはひとしおでした」と大野さん。

おみくじをひく方の笑顔がうれしい

昨年11月から頒布を開始したが、その人気によって、これまでにない数の取材を受け、かつ神社のSNS含め各記事の閲覧数や「いいね!」などの数もこれまでにないものになったという。台湾の人達からも反響があったそうだ。


帯廣神社 宮司 大野さん

「可愛らしいですとか、帯広に行ってみたい等のコメントも多く頂きました。実際には老若男女多くの方々笑顔でおみくじ引いる姿を見ると、嬉しいですね。シマエナガみくじを通して、可愛らしい野鳥や動物たちの住みかでもある自然にも感心を持って頂けたらと思っています」

初回奉製分の頒布はすでに終了し、現在、再頒布に向けて準備中。再頒布は1月下旬を見込んでいるが、一つひとつ手作業で進めているため遅れる場合もあるという。詳細は神社ホームページやSNSで知らせる予定だ。