コンディションが整っていないのか、乾の動きにはキレがなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本がアジアカップのグループリーグ第3戦でウズベキスタンに2-1で勝利し、3連勝を飾った。ただ、お互いに決勝トーナメント進出を決めてメンバーを落とした試合は、あくまで「2軍同士」のゲームだったという印象だね。
 
 日本は40分に先制されたけど、槙野と三浦が14番のショムドロフひとりに簡単にやられたのは、今後へ向けて不安材料だ。34分の反転シュートや81分の決定機をモノに出来なかった北川も、日本代表ではまだ力を発揮できていよね。
 
 一番心配なのは乾だ。試合から遠ざかってコンディションが良くないのか、81分に途中交代した。90分は持たなかったんだ。2ゴールを決めたロシア・ワールドカップのキレはなかったよ。

 結果として逆転できたのは、青山と塩谷のベテランボランチコンビのおかげじゃないかな。この先発11人で公式戦に臨んだのは初めてだろうけど、中盤で上手くゲームをコントロールしていた。室屋のクロスから武藤のヘディングで同点にした後、58分に塩谷は強烈なミドルシュートで逆転ゴールも決めたね。
 
 スピードを活かしたドリブルで右サイドからチャンスに絡んだ伊東も悪くなかったけど、相手も主力メンバーではなかったことを忘れてはいけない。本来であれば、彼がマッチアップする左サイドバックには13番のゾテエフが出ていたはずだ。
 だから、この試合で良かったからといって、「アピールできた」と勘違いしちゃいけない。あくまでこのゲームの最大のテーマは、主力の休養だったんだ。
 
 つまり、アジアカップの本番はここから。日本が決勝までの7試合を想定しているならば、ウズベキスタンに負けてグループ2位になったとしても、たいして変わらない。

 アジアカップは今年から出場国を16から24に増やしたけど、それもあまり意味がなかったね。イラン、韓国、オーストラリアなど、強豪国が各グループで順当に勝点を積み重ねて決勝トーナメント進出を決め、特に競争が激しくなったわけでもなかい。いつもと変わらない決勝トーナメントの顔ぶれを見ると、アジア全体のレベルは上がっていないと感じるよ。
 
 グループFを1位で突破した日本は、決勝トーナメント1回戦の相手がサウジアラビアに決まった。サウジアラビアはロシア・ワールドカップにも出場した攻撃力のあるチームだ。決して侮れない敵だから、もう一度チームを引き締め直して、盤石の体制で臨んでもらいたい。

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