特定の角度だけ映していないなど写真も判断材料になる

 ネットが普及したことで一般化したオンラインでの車両の売買。ネットオークションやフリマアプリなどで多くの中古車を見つけることができるようになっている。しかし、現車確認をしない購入はリスクが付きまとうため、できることなら現車を確認しての購入が望ましいのは言うまでもない。

 しかし、都合によって現車確認ができなかった場合は最悪の状況も覚悟して購入しなければならないが、そこはすべて自己責任となってしまう。そこで今回はそんなネットで中古車を売買するときの心構えをお伝えしよう。

 基本的にカメラで撮影したものは実物よりも綺麗に写りがちだ。大きな凹みや塗装がはがれるほどの傷ならまだしも、色褪せや細かい線キズは写らない可能性もある。また、特定の角度が写らない写真ばかりがアップされているものについては、その写っていない部分に何らかのダメージがある可能性もあるだろう。

 もちろん、偶然写っていない場合もあるが、少しでも高く売りたいと考える人はあえてダメージを写さない可能性も考えられる。追加の写真などを希望し、渋るようであれば疑ってかかった方がいいかもしれない。

相場よりも明らかに安い場合は注意

 個人売買の場合、売却したい所有者と買取店などが提示した買取額との乖離が大きい場合に出品されることが多い(他には古くて査定ゼロの場合や、カスタム多数でその分が評価されないなどもある)。そのため、常識的に考えると“下取り価格よりは高いけど、店頭価格よりは安い”価格となるのが一般的である。

 そのため、買取店で提示されるであろう相場価格よりも安い価格で売ろうとしている車両は何らかの問題がある可能性があるかもしれない。

 たとえば修復歴を隠しているとか、走行距離をごまかしているとか……。手っ取り早く現金化したい場合も、最近の買取店は即日現金払いのところが多いので、わざわざ日数のかかるオークションに出すのはいささか不可思議なのである。

 どんなに注意していてもハズレをつかまされるときはある。それは現車確認をしていてもうっかり見落としてしまうなんていうこともあるのだ。そういった場合、いい勉強になったなーと笑って済ませられる程度の金額のクルマにしておくというのが、一番傷口を悪化させない方法と言えるだろう。

 もちろんネットオークションなどでは通常、市場に流通しないレアな個体や極上車も登場するだけに魅力的なところではあるが、デメリットもあることを承知した上で参加していただきたい。ぶっちゃけ、現車を確認しないで購入するというのは一番やってはいけないことだろう(3台ほど現車を確認せずにネットで購入した筆者談)。