iPhoneも6インチ越えの縦型&大画面化時代で注目されるXperia XZ3の「側面操作」の復活

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最近、スマホでも音声入力や音声コントロールを使う人が増えている。
音声操作できるスマートスピーカーの普及も、音声操作する人の増加を後押ししているのだろう。

例えば、Androidスマホでは、グーグルアシスタントを起動し、
「OKグーグル、写真を撮って」
と言えばカメラアプリが起動する。

片手がふさがっているときなどでは、この音声操作はかなり便利だ。

とはいえ外出時や電車の中では。周囲の雑音や騒音などにより、音声の認識率は低下する。また公共の場でのマナーが気になる人は、使うのに躊躇する人も多い。

となるとスマホの操作は、従来通り画面を指先でタッチするしか方法はない。

しかし最近の大型化したスマホは、片手で操作するのかなり難しい。
iPhone 8 Plusよりスリムになった最新のiPhone XS Max も、画面が6.5インチサイズで、横幅は77.4mmもある。縦長画面でスリム化しているといっても、さすがに片手操作は難しい。
特に
・電車などでつり革を持ちながら
・買い物の荷物をもちながら
・仕事の資料やファイルを持ちながら
といった片手が塞がった状態ので、操作性は確実に低下する。

そんな、スマホの本体サイズが大きくなるにつれて、新しい操作が注目される。
スマホの側面のセンサーを使った操作だ。

8月末に発表されたソニーの「Xperia XZ3」は。「サイドセンス」機能を新たに搭載した。
「サイドセンス」機能は、
・本体の側面を指先で2回たたく
・すぐ横の画面上にミニメニューが現れる
・メニューには最近よく使ったアプリが8個表示される。
といった便利機能だ。


Xperia XZ3が採用したサイドセンス


・いつも使うアプリが決まっている人
・定期的によく使うアプリがある人
こうしたユーザーは、たいてい、
よく使うアプリをフォルダにまとめている。
フォルダを開けば、愛用のアプリをすぐに使うことができるからだ。

しかしアプリの利用は、日は曜日、時間によっても変わる。
・朝なら、スケジュールや天気、交通情報アプリ
・昼休み前なら、レストランやお店情報のアプリ
といった具合だろう。

つまり「お気に入り」のフォルダを作ってアプを用意していても無駄は必ずでる。
例えば、大好きなゲームを「お気に入り」フォルダに入れておいたとしても、寝起きにゲームをする人は、そう多くないだろう。


Xperia XZ3の「サイドセンス」が優れているのは、AI機能を搭載している点だ。

つまり時間ごとに、よく使うアプリを自動的に表示してくれるのである。
XZ3本体を手に取り、親指で側面をダブルタップすると
朝なら、「カレンダー」「Facebook」「交通情報」といったアプリのアイコンが並ぶ。
昼なら、「SNS」「ニュース」「音楽」などのアイコンが並ぶ
夜なら「ゲーム」「動画」「音楽」などのアイコンが並ぶ
といった具合だ。
つまりXperia XZ3は画面上からアイコンを選ぶのではなく、側面をタッチするだけでその時に使いたいアプリを利用可能にしてくれるというのである。

ソニーXperia Zシリーズの過去モデルは、本体の側面に指紋認証センサーを兼ねた電源ボタンを配置していた。
スマホを持てば、ほぼ確実に側面にも触れる。
つまり側面に操作機能を搭載すれば使いやすいはずなのだ。
XZ3が採用したサイドセンスはXperia Z初代モデルからの、側面操作を復活させたと見ることもできるだろう。

実は、スマホの側面を操作に使うスマホは、Xperia Zシリーズ以外にもある。たとえば以下のスマホだ。
・HTCの「U12+」
・Googleの「Pixel 2」
これらは、それぞれ「エッジセンス」、「アクティブセンス」と呼ばれている本体を握って操作する機能を搭載している。またスマホを持っているだけでも画面の回転を自動オフにしてくれるなど、側面に埋め込まれたセンサーを有効的に活用している。


HTC U12+も側面を握る操作のエッジセンスに対応


HTC U12+のエッジセンス機能を実際に使ってみると、
スマホを保持しつつ力を加える必要があるため、力の入れ方に慣れが必要だ。
握る強さはアプリ設定で変えられるが、万人向けの機能とはいいがたい。

一方、Xperia XZ3の側面をダブルタップする操作はシンプルで意外と使いやすい。

スマホの側面は、電源、ボリューム、カメラボタンくらいしか配置されていない。
側面を有効活用することでスマホが使いやすくなるのであれば、他社にもぜひ追従してほしいものだ。

便利な「スマホの側面のタッチ操作」だが、今に始まった機能ではない。
数年前のスマホにも搭載されていたことがあるのだ。ZTEの関連会社、Nubiaが2015年に発売した「Z9」は左右のベゼルを極限まで薄くしたベゼルレススタイルのスマホだった。
「Z9」は、ディスプレイのコーナーをタッチすることでスマホ操作ができたのだ。
スマホを持ちながらディスプレイの左右を握るとロック解除、
ディスプレイ側面を指先で上下に動かすとバックライトの明るさをコントロールできた。

またサムスンのGalaxyシリーズでも、2015年に発売されたディスプレイの側面をカーブ形状にした「Galaxy S6」以降は、側面から中央に指先をスワイプしてアプリや電話帳を呼び出す「エッジスクリーン」機能を搭載している。
こちらはタッチ操作ではないが、やはり本体の側面を生かした機能だ。


Galaxyシリーズは側面からアプリを呼び出すエッジスクリーンを採用



日本メーカーでも、側面センサーの採用は早く、2013年にシャープが「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」「AQUOS PHONE SERIE SHL23」に「グリップマジック」が搭載されている。本体を握ることを側面のセンサーが反応してロック解除などを行うことができた。

こうして振り返ると、スマホの側面タッチはスマホを使いやすくするための工夫として各社が試行錯誤し続けてきて機能ということがわかる。

近年のスマホの大型化にとり、再び「側面操作」に注目が集まっているのかもしれない。


山根康宏