前半に2本の強烈なシュートでゴールを生み出したアセンシオ。チャンスメイクにも勤しみ、強敵相手の圧勝に大きく貢献した。 (C) Getty Images

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 9月11日(現地時間)、UEFAネーションズ・リーグが欧州各国で行なわれ、リーグA・グループ4ではスペインが6-0でクロアチアを下した。
 
 3日前にウェンブリーでイングランドを2-1で下したスペインが、エルチェにロシア・ワールドカップ準優勝のクロアチアを迎えた一戦。スペインは前の試合のスタメンから3人を入れ替え、クロアチアはモドリッチ、ラキティッチら主力選手の多くが先発出場を果たした。
 
 試合は立ち上がりからスペインが長くボールを保持するが、両チームともに慎重さが目立ち、静かな展開が続く。
 
 最初にチャンスを作ったのはスペイン。8分、右SBのカルバハルが抜け出して入れたクロスが、中央のロドリゴに渡りそうになるが、クロアチアはミトロビッチが懸命のスライディングでクリアする。
 
 一方、クロアチアは14分、同じく右SBのヴルサリコがサイドを抜け出して折り返すと、CFサンティニがニアで合わせたが、ゴールマウスを捉えられない。
 
 15分、サウールのロドリゴを狙ったクロスがマーカーのヴィーダに当たって軌道が変わり、GKカリニッチが横っ飛びでセーブするというスペインにとって好機が訪れれば、2分後、クロアチアは返す刀でペリシッチが右からのパスを受けてペナルティーエリア内でシュートチャンスを得るが、寄せたカルバハルにブロックされた。
 
 20分、ヴルサリコが負傷でログと交代いうアクシデントに見舞われたクロアチアに対し、スペインは徐々に攻勢を強め、24分に先制ゴールを奪う。S・ラモスのロングパスをジャンプしてトラップしたカルバハルの右足アウトサイドでのクロスを、中央でサウールが頭で合わせたのだ。
 
 鮮やかな展開でリードを奪ったホームチームは、クロアチア陣内で執拗にボールを回して左右に相手を揺さぶったり、効果的な縦パスやドリブルを駆使して主導権を握る。そして33分には、相手のパスミスを拾ったアセンシオがエリア外から左足で強烈なシュートを突き刺した。
 
 これでさらに勢いづいたスペイン、そしてアセンシオ。彼はその2分後、右タッチライン際でボールを受けると、カットインでゴールに迫り、再び左足を一閃! ボールはクロスバーを叩くが、同方向に飛んでいたカリニッチに当たってはね返り、ゴールネットを揺らした。
 
 前半でリードを3点に広げたスペインに対し、なかなか攻め手のないクロアチア。違いを生み出せるモドリッチやラキティッチが良いかたちでボールを持てる機会はほとんどなく、前半は時間の経過とともに一方的な展開となっていった。
 
 後半、反撃を仕掛けようとするクロアチアの機先をスペインが制する。試合開始から4分、セバージョスのスルーパスでロドリゴが抜け出し、飛び出したカリニッチの股間を抜くシュートで4点目を奪ったのだ。
 
 スペインは緩急をうまく使い分け、サイドからの攻略や、裏に走り込む味方にスルーパスを通してチャンスを量産。クロアチアは何とかこれらをしのぐも、57分、CKでS・ラモスにマークを外されてのヘディングシュートを許し、5点目を献上してしまう。
 
 さらに70分、アセンシオのパスをエリア内で受けたイスコが、フェイントから振り向きざまに右足でゴール左隅に叩き込んで6点目。クロアチアはこの場面に限らず、守備での対応がことごとく遅れ、相手に自由な攻め、シュートを許した。
 
 その後も大部分の時間でボールを支配し、ロドリゴ、イスコ、チアゴ、セバージョスらが、入ってもおかしくない惜しいシュートを放ち続けたスペイン。不思議なほどの一方的な展開でクロアチアに6点差をつけ、イングランド(4位)に続き、ロシアW杯上位国相手に連勝を飾った。
 
 リーグA・グループ4は来月、12日にクロアチア対イングランド戦、15日にスペイン対イングランド戦の2試合が行なわれる。