7月22日から25日までフィギュアスケートの全日本シニア合宿が、長野県軽井沢町で行なわれ、24日には氷上に本田真凛(16)の姿も見られた。

 平昌オリンピック出場の夢を奪われた16歳の再起が心配されるが…。7月10日、日本航空(JAL)は、フィギュアスケートの本田真凜と所属契約を交わしたことを発表した。大手広告代理店関係者によれば、企業としてのPR効果はスキージャンプの高梨沙羅(クラレ)よりも大きいというが、夢の舞台での表彰台はまだ先になりそうだ。
 「もともと、JALはスポンサー契約をして本田を応援してきました。7月にアイススケート部を立ち上げ、その所属選手として改めて契約を結び直したのです。とはいえ、本田の練習拠点はアメリカのままです」(体協詰め記者)

 本田は'16年の世界ジュニア選手権を制覇。昨季からシニアに参戦したが、平昌冬季五輪出場は果たせなかった。原因は、本番で実力を発揮できないメンタル面での弱さとされるが、それだけではない。
 「五輪出場を逃した後、それまで関西大学高等部に通っていた本田は、3月末に青森山田高校(普通科スポーツコース)に転校、4月からは練習拠点をアメリカに移し、浅田真央も指導を受けていたラファエル・アルトゥニアン氏の師事を仰いでいる。五輪前、そのルックスのよさからスポーツニュースなどはこぞって彼女を取り上げ、ファンが急増。執拗な追っかけや待ち伏せもあったと聞いています。そのため以前から『環境を変えたい』と悩んでいた。そうした中途半端な状況も、五輪代表選考がかかった全日本選手権の成績が振るわなかった要因とも見られています」(フィギュア雑誌記者)

 JALに所属した本田は今後、国内予選スタートの場が大阪から東京に変わる。
 「平昌五輪で4位入賞を果たし、コーチも同じ(濱田美栄氏)だった宮原知子(関西大学)とは、距離を置くことになる。アイドル扱いされてきた本田と、地味で努力家タイプの宮原はよく比較されるのですが、現状で本田は宮原に大きく引き離されています。“脱関西”によって変わることができるか。まさに転機を迎えている」(同)

 現状、平昌冬季五輪女子4位の宮原知子、世界選手権2位の樋口新葉ら強豪が待ち受けている。マリンの両翼は上昇気流に乗れるか。