by Tufts University

創傷(切り傷)は放置しておいても治るものですが、一方で感染症になる恐れもあり、実は世界の非外傷性四肢切断の主要原因となっていて、アメリカでは2500万人以上の生活に影響を与えているとのこと。適切に薬を投与すれば治癒率を高めることができますが、ずっと医者がチェックするわけにもいかないため、薬を内蔵した「スマート絆創膏(ばんそうこう)」による適切な投薬が考えられています。

Smart Bandage for Monitoring and Treatment of Chronic Wounds - Mostafalu - - Small - Wiley Online Library

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/smll.201703509



Smart bandages designed to monitor and tailor treatment for chronic wounds | EurekAlert! Science News

https://eurekalert.org/pub_releases/2018-07/tu-sbd062918.php

Smart Bandage Can Monitor a Wound and Deliver Drug Treatment | Digital Trends

https://www.digitaltrends.com/cool-tech/smart-bandage/

タフツ大学のサミアー・ソンカセール教授によると、生活習慣病の増加に伴って「慢性的な創傷」も増えているとのこと。創傷は前述のように、戦争以外での四肢切断の主要原因となっているため、ソンカセール教授らは対策として「スマート絆創膏」を開発しました。



by Tufts University

正常に治癒した創傷はpH値が5.5〜6.5の範囲内なのですが、治癒していない感染創傷は6.5よりも高いpH値を示すため、スマート絆創膏はpH値と温度を検知するセンサーを内蔵し、創傷の治癒具合を確認。必要時には、センサーからデータを読み取ったマイクロプロセッサがゲルを加熱して、薬剤を放出するようにできています。

スマート絆創膏の厚みは3mm未満で、マイクロプロセッサ部分は再利用可能。その他の部分は使い捨てで、低コストで作れるようにできているとのこと。

ソンカセール教授は、内蔵するセンサーや抗生物質を変えることで、スマート絆創膏は創傷以外にも幅広く対応できる可能性があると語っています。