by Pierre Châtel-Innocenti

多方面への応用が期待されていて夢の素材と呼ばれている「グラフェン」を用いて、コンクリートの強度を2倍に、耐水性を4倍にする技術が開発されました。

Ultrahigh Performance Nanoengineered Graphene-Concrete Composites for Multifunctional Applications - Dimov - - Advanced Functional Materials - Wiley Online Library

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201705183



Graphene 'a game-changer' in making building with concrete greener | Environment | The Guardian

https://www.theguardian.com/environment/2018/apr/23/graphene-a-game-changer-in-making-building-with-concrete-greener

Graphene-Based Concrete is Stronger and More Durable | Digital Trends

https://www.digitaltrends.com/cool-tech/graphene-based-concrete/

これはエクセター大学のモニカ・クラチウン教授らによる研究成果で、2018年4月23日に科学誌「Advanced Functional Materials」に掲載されました。

クラチウン教授らによると、伝統的なコンクリート製法にグラフェンを組み込んだ複合材料「グラフクリート」(グラフェン強化コンクリート)は、コンクリートに比べて強度が2倍、耐水性が4倍に向上したとのこと。

コンクリートは世界的によく用いられている建材であり、あちこちで改良の方法が考えられてきました。従来は構成要素を変えるため、コンクリートに対してナノテクノロジーを用いる研究が主流でしたが、クラチウン教授らが行ったのは、層になったグラフェンを水の中に混ぜるというものでした。

コンクリートは製造時に温室効果ガスが発生するため、グラフクリートへ置き換えることができれば製造量を減らすことができ、温室効果ガスも減らせます。また、製造も比較的低コストで行えるそうです。



by Igor Ovsyannykov

問題となってくるのは、グラフェンが一般に広く流通しているような素材ではなく、ほぼ研究所から外に出ることがないという点ですが、クラチウン教授はグラフクリートのビジネス化を検討していて、協力者を探しているとのことです。