米支社設立から50年 スバルがアメリカで勝ち取った信頼

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ドイツの哲学者アルトゥル・ショーペンハウアーは、かつてこう言った。「人は一度丘を越えたら、スピードに乗り始める」

これはおそらく、50歳になった(あるいは年齢を重ねた)人々を指した言葉だ。当時の50歳は年寄りとみなされていた。何年か前にこの節目を迎えた私からしてみれば、今の自分を色々な言葉で呼ぶことはできるが、年寄りになったという意識だけはない。

私がこの言葉を選んだのは、今年50周年を迎える象徴的なブランド、スバル・オブ・アメリカについて紹介するためだ。同社は最初の40年間ではさほど大きな成功を収めなかったものの、ここ10年間は売り上げの増加が続いており、間違いなく勢いに乗っている。

スバルは1年間にわたる50周年記念キャンペーンを実施。一連の祝賀イベントは、先日シカゴ・オート・ショーでの特別仕様車シリーズの初披露で最高潮を迎えた。

私はスバル・オブ・アメリカのアラン・ベスキ上級副社長(マーケティング担当)と話す機会があり、マーケティング全般について、また、自動車業界のマーケティングについての意見を聞いた。

筆者:マーケティング業界の現状は、どのようにまとめられる?

ベスキ:グローバルな観点から言えば、消費者向け広告は、量と重要性の両面で増加し続けている。2016年のグローバル広告費は約4930億ドル(約52兆7000億円)で、うち米国会計分は38%余り(約1900億ドル=約20兆3000億円)を占めた。

米国の広告支出は増加が続き、2017年には2000億ドル(約21兆4000億円)以上、4〜5年後には2500億〜2600億ドル(約26兆7000億〜27兆8000億円)となる見通しで、市場の密度と競争率は高水準を維持するだろう。

絶え間なく変化するダイナミックで複雑なこの状況は、新たな技術や、消費者への新たなターゲティングとリーチ方法のおかげで、今後も急上昇するのみとみられる。

今日の広告市場を形成する大きな産業や有名ブランドの多くは、消費者の注目をより多く集めようとしのぎを削っている。しかし実は、消費者はより多くの広告にさらされている一方で、広告を見て内容を覚えようとする能力や意欲はその量に伴い著しく低下する。広告主各社が、消費者の関心を求めてこのまま競い続けるなら、広告業界の競争率は上昇の一途をたどるだろう。

筆者:そのような全体状況と、自動車業界のマーケティングを比較するとどうか?

ベスキ:広告業界全体の状況と同様、自動車メーカー各社は、混雑した市場の中で消費者を引き込む方法をかつてないほどに模索している。やり方を見つけた企業も、注目を集めるために新たなことに継続的に挑戦している企業もある。どちらにせよ、簡単に解決できる問題ではない。

広告に関しては、自動車業界は一般的に非常に競争が激しい。広告費を多く投じる企業のトップ20社には自動車メーカーが4社入っており、トップ100には10〜11社が入っている。概して、自動車メーカーは昔から広告費に多額を投じてきており、特にスバルのような歴史的に見て小規模なブランドにとっては、この業界内で大企業と競争するのはより大変だ。

多くの自動車メーカーが、需要を上回る自動車を供給しているため、自動車業界のブランド各社は自社の市場での地位を上げるためのツールとして広告を利用することが多い。在庫が多すぎる時は、セールスイベントや、大きなインセンティブ、意識的に低く設定したプライスポイント(統一小売価格)、「期間限定」セールなどを宣伝する広告を出す。自動車の広告はパターン化されており、これはその一例だ

筆者:消費者に関して言えば、どのブランドも求めるのは信頼。最近の調査では、人々が広告主に対して寄せる信頼度は、議会や中古車セールスマンをかろうじて上回る程度だった。これはなぜか? また、スバルがブランドとして、消費者からの信頼を獲得・維持するためにしていることは?