いよいよ大谷のメジャーデビュー戦がやってきた。オープン戦2戦目、先発で2イニング投げるという。

 雲ひとつない快晴ではあったが、アリゾナにしては肌寒い気温13度の中で試合は始まった。土曜日と大谷の先発が重なって、スタンドは外野まで開放して9割程が埋まっている。

 同じアリゾナでキャンプを張っているドジャースやカブスほどの人気球団ではないので、スタンドがこんなに埋まることは滅多にない。これも大谷効果か。

「ピッチャー、OTANI」
 コールに歓声が響き渡る。球場全体が期待感に包まれ、独特の雰囲気でプレイボールがこだました。

 1球、2球……ストライクが入らない。
 スタンドからはため息とヤジが飛ぶ。

 結果は、1回3分の1、31球を投げて2安打、2失点、1四球、2三振……。2回にはホームランも浴びている。試合後の自己分析で、大谷はこう語っている。

「全体的にカウントの球が甘かったですし、なんとなく探りにいってる感じがあったので、そこは次回以降しっかり修正したいと思います。フォークボールは比較的いいポジションに落ちてくれたので、そこはよかったんじゃないかと思います。スライダーはあまり決まらなかったので、そこは次回以降かなと思っています」

 よかったのか、悪かったのか、わからないままだ。オープン戦が始まったばかりだからこんなもんだ、という識者の見方が大半なのだと思う。

「内容はともかくとして、緊張もしなかったし、楽しかったです」

 試合後、大谷の第一声だ。う〜ん、まずコメント力を磨いて欲しいものだが、こればかりはメジャーのマウンドに慣れるより時間がかかるかもしれない。(写真・文/西山和明)