パドレス・牧田和久【写真:盆子原浩二】

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メジャー成功のコツは「ちょっと鈍感にならないとダメ」

 パドレス入りした牧田和久投手は、入団を決めた1つの理由として、日本人スタッフのサポートを挙げた。ベースボールオペレーション部アドバイザーには野茂英雄氏、球団アドバイザーには斎藤隆氏、3A投手コーチには大塚晶文氏、元日本ハムの中垣征一郎トレーナーら、日米球界をよく知る人物が在籍。日本人をはじめ海外から移籍してきた選手のサポート体制は十分に整えられている。その中でも、キャンプイン後に最も牧田と近い位置にいるのが、練習の指導にも加わっている大塚コーチだ。

 自らも2004年から2シーズンにわたり、パドレスでプレーした大塚コーチは、日本では137セーブ、メジャーでは39セーブ、74ホールドの実績を残した人物だ。メジャーという新しい舞台で、自身の持つ実力を存分に発揮するコツを聞かれると「ちょっと鈍感にならないとダメですね」と言った。

「技術的には自分のやらなければならないことは、しっかり整理してやらなければならない。それに加えて、タフな移動だとかシチュエーションだとか、予期せぬ登板機会だったりっていうのがあるんで、それに上手く対応すること。その辺りは、ちょっと鈍感にならないとダメですね(笑)」

 メジャーではよくも悪くも大ざっぱに物事が運び、予測通りに進むことは稀。ある意味、臨機応変に対応できる胆の大きさを試される舞台でもある。つまり、少しのことでは動じない「鈍感さ」が必要となるわけだ。

殿堂入り守護神の姿から得た学び

 さらに、毎日をリセットするために、自分なりのルーティンを決めておくといいという。

「僕が現役でやっていた頃、トレバー・ホフマンは早く球場に来て毎日ジョギングをしていたんです。ジョギングと体幹と体のケアは必ずしていた。自分のやるべきことを最低限しっかり抑えてやること。これが大事ですね。打たれてもそれだけは変えずにやり続けることが。トレバーの場合は、汗をかくことで悪いイメージも、体の疲れも流していたそうです」

 ホフマンと言えば、今年殿堂入りを決めたパドレスの名守護神。メジャー歴代2位の通算601セーブという輝かしい実績を誇る。現役時代をチームメイトとして過ごした大塚コーチは、ホフマンの姿から多くの学びを得たそうだ。

 同じ野球人として、パドレスの先輩として、牧田の活躍を願う気持ちは強い。自身の経験を引き継ぎながら、実力発揮に向けてバックアップ体制を整える。(Full-Count編集部)