羽生結弦とネイサン・チェン【写真:Getty Images】

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26番目のチェン、25番目の羽生の“風物詩”に注意「これまでも何回かあるんだ」

 平昌五輪は16日、フィギュアスケート男子シングルがショートプログラム(SP)で幕を開ける。25番目に登場する羽生結弦(ANA)に対し、金メダルを争う26番滑走のネイサン・チェン(米国)は羽生の演技後にリンクに生まれる「プーさんの雨」に注意を払っている。地元紙「ワシントン・ポスト」が報じている。

 江陵アイスアリーナに“プーさん注意報”が発令された。警戒したのは他でもない。66年ぶりの連覇を目指す羽生の最大の強敵、18歳の新鋭チェンだった。記事によると、前日会見で「ハニュウの影響と彼の後に演技することについて」という質問に対し、チェンはこう語ったという。

「氷上での彼の存在が僕たち全員にもっと困難に挑むよう、レベルアップさせていると本気で感じている。彼は間違いなく僕を刺激してくれるし、モチベーションも高めてくれる。新しい4回転ジャンプ、これまでと違う演技、構成と……」

 アメリカの伝説のスケーター、ディック・バトン氏以来となる連覇を目指す絶対王者に対するリスペクトをチェンは語ったという。そして、羽生に続いて登場するチェンにとって、華麗な舞い以外に注意しなければいけないものがあるようだ。

「ユヅの後に演技したことは、これまでも何回かあるんだ。僕が唯一忘れてはいけないことは、くまのプーさんの雨だね」

実は「アドバンテージ」も? 「自分に必要な準備時間をたくさんくれる」

 チェンはこう語ったといい、羽生と黄色いディズニーキャラクターの絆を警戒している様子。羽生の傍らにはプーさんのティッシュケースがいつでもお供。演技後にぬいぐるみが大量に投げ込まれるのは風物詩だ。昨年10月のGPシリーズの演技後、ゆうに100体以上によって、リンクが“プーさんの海”となり、海外メディアも「プーさんが宙を舞う」と動画付きで紹介したほどだった。

 だが、チェンにとっても「プーさんの雨」はチャンスでもあるという。記事によると、こうも語っている。

「いいところは片付けるのに時間がかかるから、自分に必要な準備時間をたくさんくれるんだ。僕は彼の後に滑った後は、いいスケートができている。観衆はいつもスーパーなほどに盛り上がっているから、自分のアドバンテージを手にしているんだ」

 フラワーガールが氷上を埋め尽くさんばかりのぬいぐるみを拾い上げる間に集中を高めることもできるようだ。果たして、チェンにとって“幸運の雨”となるのか。注目の戦いが幕を開けようとしている。(THE ANSWER編集部)