彼にフラれても「彼はあなたのことが嫌いなわけではない」かもしれない

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「彼がわたしのことを振ったのは、彼がわたしのことが好きではなくなったからだ」と思っている女子はたくさんいると思いますが、彼にしてみれば、「君のことが100%嫌いになったわけではない」ということもあります。

■■歳を重ねるにつれて、減っていく恋愛のスタイル

若い頃の恋愛に多く見られて、歳を重ねるにつれて減っていく恋愛のスタイルに「おなじ人とつきあって別れるのを繰り返す」というものがあるように思います。


若いときって「好き」と言ってつきあったと思ったら、その翌月に「嫌い」となって別れて、で、さらにその翌月にまたつきあう、ということもありますよね。


でも歳を重ねたら、こういうことが減ってきます。それはひとつには、別れることの重みが理解できるようになるからです。ハシゴをかけたり外したりというあいまいな態度が、相手の心のみならず、自分の心をいかに傷つけることなのかが、歳とともに見えてくるからです。
それはつまり、自分というものを知っている、ということ。自分のことをあるていどは好きになれたので、他者の気持ちを理解する余裕が芽生えた、ということです。

■■嫌いになるほど、相手のことをよく知らないから

つまり若い彼は、自分のことが自分であまり好きではないから、彼女と簡単に別れることができる、ということです。


彼女のことが嫌いだから別れた、ということではなくて、彼女のことをうまく愛することができない自分を、自分で許せないから、別れる以外にそういうジレンマを解決する術を知らなくて別れた、ということ。


若い女子に自分探しをしている人が多いように、若い男子だって自分を探しています。自分で自分のことを認め、愛せるように、なんらかの努力(ないしは葛藤)をしているものです。
そういう人たちは、他人の気持ちを十分にわかっていないところがあります。自分を探している人たちは、まだどうしても視野が狭い。どうしても他人の気持ちに不案内です。


だから、相手のことを「きちんと嫌いになれない」のです。嫌いになるほど、相手のことをよく知らないわけだから、嫌いになりきれない。

■■自分を責める必要はない

相手のことが嫌いになった、というより、自分のことが自分で好きになれないから、相手のことも、イマイチ好きになりきれない、好きだけど、イマイチどうしていいのかわからない。
こういうことが繰り返されたら、冒頭に書いたように、「同じ人とつきあって、別れて」を繰り返すことになります。


というわけで、彼に振られて嘆き悲しんでいる人は、「彼はわたしのことを、そこまで嫌いになったわけではない」と思っておくといいかもしれません。


あるいは「自分のことを愛せない人と、さっさと別れることができてラッキー」と思っておくといいかもしれません。はたまた、「自分のことを認め、受け入れることができない彼って、かわいそう」と、なんだかよくわけのわからない同情をしてあげるだけでもいいのかもしれません。


自分のことを好きになれないと、自分の心のみならず、相手の心も傷つけてしまう……こういう反省をしつつ、多くの人はオトナになっていくので、あなたのことを振った元カレのことを、広い心で認め許してあげこそすれ、「わたしのなにがいけなかったのだろう」と、自分を責める必要はない、ということです。(ひとみしょう/文筆家)


【今夜はちょっと、恋の話をしよう】
(ハウコレ編集部)