過去開催の様子。例年は8月に行われる盆踊りが2017年は12月に

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12月も残すところ約半月、いよいよ年の瀬の雰囲気が増してきた。クリスマスや正月の準備が進む中、東京・高円寺の馬橋小学校では12月16日(土)にあるイベントが開催される。その名も「馬橋盆踊り」。夏の代名詞とも言える盆踊りが、どうして冬に開催されるのか。馬橋盆踊り実行委員会の狩野さんに話を聞いた。

【写真を見る】『孤独のグルメ』原作者の久住昌之とその実弟がポスターイラストを手掛ける

2017年で5回目を迎える馬橋盆踊りは、地元商店会などを中心に運営されるイベント。40年以上前に開かれていた盆踊りを復活させたもので、例年8月の第1土曜日に開催されている。会場では盆踊り大会のほか、屋台村やライブステージ、山形の芋煮会といった出し物も充実。ポスターには『孤独のグルメ』などで知られる漫画原作者の久住昌之とその弟・久住卓也のコンビ「Q.B.B.」がイラストを提供するなど、毎年盛況を博すイベントだ。

冬開催の発端は、会場となる馬橋小学校のグラウンド改修工事にあった。盆踊りの時期と工期とが重なってしまい、実行委員会は10月21日に開催をずらすことを決定。だが10月に入り、衆議院議員総選挙が公示された。投票日は盆踊りの翌日の10月22日となり、馬橋小学校は投票所に設定された。実行委員会は選挙管理委員会と調整し、投票所として使われる体育館以外でなら問題なく開催できることとなったのだが、直前になり今度は台風21号が日本列島に接近。運営ボランティアの中には子どもも多数参加していたことから、安全面を考慮し秋の開催は中止を余儀なくされた。

実行委員会は改めて日程を調整したものの、小学校の校庭と体育館が次に同時に使えるのは早くても12月16日。その後の協議では、開催中止を含め様々な意見が出たという。だが多くの人が「たとえ冬でも馬橋小学校で盆踊りを」と開催に意欲を見せ、世にも珍しい“冬の盆踊り”が実現することとなった。

「寒さ対策として、服の上からでも羽織れる祭り半纏を用意して統一感を出しています」と話す狩野さん。また、「子供たちを楽しませたい」という商店会顧問の発案で、ボランティアとして参加する中学生がサンタ帽を被るなど、クリスマス要素も取り入れる。二転三転しての開催となったが、実行委員会からは盆踊りをより楽しめるようにと、寒さに負けない熱意が伝わってきた。

体育館も会場として用意しているため、当日は雨天決行。馬橋盆踊り実行委員長の明石さんは「時期外れになってしまった盆踊りですが、師走の忙しい一日を楽しんでいただければ幸いです」とコメントしている。開催日時は12月16日(土)の午前11時から午後3時まで。盆踊りは12時からスタートする予定だ。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)