東口順昭(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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東口順昭は落ち着いて12日の中国戦に臨み、2-1の勝利に貢献した。

だが10日、日本代表のトレーニングで東口はボロボロだった。コーチが指示を出しているのだが、まるで聞いていなかったかのようなミスを繰り返す。練習に集中していないのは明らかだった。

今回のE-1選手権ではアピールすべく張り切っていた。10月10日、3-3の引き分けに終わったハイチ戦の後、東口は「アピールにならなかった」と悔やんでいたのだ。ところが初戦の北朝鮮戦は中村がゴールを守り、素晴らしいパフォーマンスを見せた。東口は正直に焦りを告白した。

「めちゃくちゃ(焦りは)ありますよ。(中村航輔が)あれだけのパフォーマンスを出してたし。昨日の夜までそれはプレッシャーになってました」

「まずは勝てて最低限よかったと思いますし、最後のPK戦以外は集中力高くやれたと思います。自分のアピールなんか関係なく、来たボールに対してしっかり判断して集中して処理し続けられたのでそれが一番よかったと思います」

東口を落ち着かせたのは、何だったのか。

11日の練習で、自分が中国戦に出ることはわかったそうだ。だが葛藤やプレッシャーを自分で処理できなかった。そこで、母校の新潟経営大学、杉山学監督に電話で相談したという。杉山監督のアドバイスは「シンプル」だった。

「よくても悪くてもお前の糧となることだから思いきってやれ」

東口は「それが自分の心にはすっと落ちました」と振り返る。

「また次の試合もありますから。優勝かかってるんで、また集中力高くやっていきたいと思います」

東口も本調子を取り戻し、GKの争いはますます激しさを増している。

【日本蹴球合同会社/森雅史】