ケルン在籍時には、現在ヴィッセル神戸でプレーするポドルスキ(右)ともコンビを組んでいたノバコビッチ(左)。 (C) REUTERS/AFLO

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 かつて大宮アルディージャと清水エスパルスでプレーした元J戦士が、愛着のある古巣へ強烈なメッセージを送っている。その人物とは、元スロベニア代表FWのミリボイェ・ノバコビッチだ。2006年まで6年間在籍したケルンにラブコールを送ったことを、地元紙『エクスプレス』が伝えた。
 
 今シーズンのケルンは何をしても勝てない深刻な不振に陥っている。ブンデスリーガ8節を終えた現時点で、いまだ白星に恵まれず。得失点差も「-14」と、開幕8試合では1963年のブンデス創設以来史上最悪の成績で最下位に沈んでいる。
 
 とりわけ、日本代表の大迫勇也もいるFW陣は、国内リーグでわずかに3点しか決められずに困窮を極めている。
 
 頼みの綱として今夏にマインツから獲得したジョン・コルドバは、7節のRBライプツィヒ戦でハムストリングを傷め、復帰は早くてもウインターブレイク明けと診断され、その代役として、フリートランスファーで加入した39歳のペルー人FWクラウディオ・ピサーロもコンディション面で万全とはいえず。大迫もここまで1点しか挙げられていない……。
 
 そんな悲劇的な得点力不足に悩む古巣にノバコビッチは、「契約してくれるなら無償でも戻るよ。10ゴールは保証する。3週間もらえれば、十分に準備はできるはずだ」と、エクスプレス紙を通じてクラブに発信している。今年6月の代表戦を最後に現役引退を発表していたが、それを覆してのカムバック宣言には、相当な決意が込められているようだ。

 現在38歳の大ベテランの心を突き動かしているのは、自身の過去に対する後悔の念。ケルンでの最終シーズンとなった2011-12シーズンにチームが降格の憂き目にあっていたのである。
 
 そのことに触れたノバコビッチは、「2012年の降格をいまだに消化しきれていない。私は、なぜ降格したかを知っているし、今のチームも立て直せると思う。私のハートはケルンに寄り添っている」と、かつての苦い経験を再建に活かせることを力説した。
 
 古巣の現状を憂う大ベテランの気持ちをケルンは受け入れるのだろうか。