ついうっかり悪口やグチを言いすぎていませんか?(写真 : Ushico / PIXTA)

みなさん、こんにちは! アナウンサーの魚住りえです。
このたび、東洋経済新報社より『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』を出版いたしました。
前著『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』は本当に多くの方に手に取っていただき、おかげさまで15万部を超えるベストセラーとなりました。みなさまに深くお礼を申し上げます。
第2弾となる今回は、コミュニケーションをとるうえで、「話し方」以上に大切な「聞き方」について書きました。早速、5万部を超えるヒットとなり、多くのみなさまに読んでいただけていることを、心からうれしく思います。
本記事では、嫌われる人の「ランチ中の会話」よくある7つのNGを紹介します。

昼食目的以外でも重要な「ランチタイム」


会社勤めだと「ランチタイム」は楽しみのひとつですよね。

でも、いざランチに行っていると、食事中に「仕事のグチ」や「上司や職場の人の悪口」ばかりで、楽しいランチタイムのはずがガッカリ……ということはないでしょうか。

「貴重な休憩時間だから、楽しい時間にしたい」と思っているのに、「楽しくない話」ばかりする人も実際には多いものです。

じつは、自分で気がつかないうちに、一緒に行った人がイヤな気持ちになってしまう「行動や態度」をしたり、「イヤな話」をしているかもしれないものです。

では、嫌われる人がやってしまう「ランチ中の会話」とはどんなものでしょうか。「飲み会での会話」ともつながる点もありますが、ここでは、主な7つのNGを紹介します。

まずよくあるのが、冒頭でもあげた「職場の人の悪口」ばかり言う人です。

悪口・グチは言ってもいいが「言いすぎ」はNG

【1】「職場の人の悪口」ばかり言う

「●●課長って、外ではいい顔してるのに、私たちにはひどいことばっかり言うよね」
「〇〇って子いるじゃない。何をやってもダメで、見ているとイライラしてくるんだよね」

ランチタイムにちょっとしたグチをこぼすことはありますが、「職場の人の悪口ばかり」になってしまうと、せっかくのランチタイムも楽しさは半減です。

さらに「あなたもそう思うでしょ?」と同意を求められたりしたら、場合によっては返事にも困ってしまいますよね。

「悪口で発散」はストレス解消になるかもしれませんが、聞いている人は不快なことも多いもの。「悪口を言っている自分だけがストレス発散していないか」と一度、聞くほうの立場も考えてみるようにしましょう。

【2】「仕事の不満やグチ」ばかり言う

「今日も先輩に文句を言われたの。この前も話したけど、デキない先輩なんだよね」
「先週も話したけど、あのプロジェクトは絶対あたしのほうがうまくできるのに」

「仕事の内容に対しての不満やグチ」も、結構ありますよね。

不満やグチがとまらないこともありがちですが、ランチタイムにグチばかり話していると、「あの人と行くと、会社のグチばっかりで、せっかくのランチも楽しくない」と、まわりの人たちから距離を置かれるかもしれません。

不満やグチは少なからずあると思いますが、「グチばかり言っていると自分が損をする」のも事実だと思います。

【3】「ひとりが参加していない話」で盛り上がる

「この前、私たち3人で行った合コンなんだけど、すっごく盛り上がってね……」
「この写真、この前の温泉旅行のなんだけど。みんな、めっちゃ面白かったよね。●●ちゃんも一緒だったらよかったのに」

旅行や合コンの話などは、ランチタイムではごく普通に盛り上がりますよね。

でも、その中の「ひとりだけが参加していないときの話」で終始盛り上がっている状況だと、ほかの人たちはテンションが上がっても、その人は「仲間外れ」にされた感じでいい気持ちにはなりません。

みんなでランチに行くときは、「みんなが楽しめる話題」をチョイスするのも、大人のマナーだと思います。

次に、嫌われる人がよくやりがちなのは、「会社近くのお店なのに、まわりを見ないで大声で職場の話題を出す」ことです。

「大きな声」で職場の話をするのはNG

【4】「まわりを見ずに大きな声」で職場の話をする

「●●部長、先週の取引先でかなりマズいこと言っちゃったんだって」
「今度の組織変更、決まったらしいよ。でも●●課長のとこだけには行きたくないよね」

ランチタイムだからと油断をしてしまい、職場の話でどんどん盛り上がって「ついつい大声を出してしまった」という失敗も意外とありますよね。

職場から一歩外に出ると油断してしまい、職場のグチだけでなく「社外にはあまり聞こえてはいけないような大事な話」も、うっかりと出てしまいがちです。

でも、職場に近いお店だったら、同じお店に同じ職場の人や、職場に来ていたお客様がいる可能性も十分に考えられますよね。

「そもそもお店で大声を出さない」のは当然ですが、話す内容にも十分注意しましょう。

【5】「料理」に文句を言う

「えー! セロリが入っているの? セロリが入っていると、これ食べるの無理だなあ……」
「●●ちゃんが頼んだのに入っているパクチー、実はダメなんだよね、特にニオイとか」

アレルギーで制限がある場合は仕方がないことですが、「料理や盛り付けにやたらと文句を言う人」っていますよね。

「嫌いなセロリが入っていて食べられない」「写真とぜんぜん盛り付けが違って少なすぎる」など隣で言われると、あまりいい気持ちにはなりません。

さらに「えー! それ入っているのに食べるの?」などと、他の人が頼んだ料理にも平気で「ダメ出し」をされると、せっかく頼んだものも食べる気が失せてしまいます。苦手なものがあるときは、前もってまわりに伝えておくのも大切ですね。

【6】すぐに「スマホ」をチェックする

4人テーブルで、4人それぞれスマホをいじっている。お互いがスマホを見ながら会話をしている――。最近はこんな光景も多く見られます。

急ぎの仕事などで作業しているなら仕方がないのですが、「コミュニケーションをとるのが苦手」でスマホに逃げている人も少なくないと思います。

なかには、わずか1時間のランチなのに、会社のメールをスマホでチェックして、返事を書いているような人もいます。

「しっかり休む」のも大切なこと。ランチの間、スマホはちょっと「お休み」にして、使う場合は、みんなで「SNSの反応」を見るなど、「一緒に楽しめる使い方」をするようにするといいと思います。

そして最後に「よく見かける光景」は、せっかく一緒にランチをしているのに「何も話さず無言」というパターンです。

「無言」は自分が損をするだけ!


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【7】何も話さない、ひたすら「無言」

「ひたすら無視」ではないのですが、一緒にランチに行っても「何も話さない」人って、思ったよりも多いものです。女性よりも、男性に多い印象です。

「いつも同じメンバーで行っているから話題も尽きるよ」ということかもしれませんが、それなら、「いつもと違う人と食事に行ったり」「その時間に本を読んだり」したほうが、有意義な時間になると私には思えてなりません。

【「ランチで嫌われる人」7つのNG】
・「職場の人の悪口」ばかり言う
・「仕事の不満やグチ」ばかり言う
・「ひとりが参加していない話」で盛り上がる
・「まわりを見ずに大きな声」で職場の話をする
・「料理」に文句を言う
・すぐに「スマホ」をチェックする
・何も話さない、ひたすら「無言」

以上、「ランチで嫌われる人」を挙げてみました。

土日を除くと、職場でのランチは平均すると1年間で約240回ほどです。実際には、夏休みや年末年始を除くと、もっと少ないと思います。

その時間を、いつもと同じメンバーで、仕事のグチや悪口、あるいは無言で食べるだけで終わるのは、あまりにもったいないと思いますが、みなさんはいかがでしょうか。

ちょっと「話し方」「聞き方」「話題の選び方」に気をつけるだけで、いつものランチも「楽しい雑談」の時間になり、あなたの好感度もグンとアップしますよ!