30日、浦和がミハイロ・ペトロヴィッチ監督を解任し、堀孝史コーチを監督に就任させました。ペトロビッチ監督はJリーグの中でも異質のサッカーを展開し、時間はかかったものの、きちんとチームに浸透させていました。

監督の考えが十分に選手に染み渡っている、ここで監督を交代させるというのはリスクもあります。今季の間は大幅にサッカーを変えると混乱してしまうでしょう。今年のシーズンの残りは現実的な変更だけにして、来シーズンに向けてチームを作り直しにするのではないでしょうか。

その意味では、ペトロビッチ監督の下で5年半、コーチを務めていた堀新監督は現在の最適な指揮官だと思います。実は、僕は堀監督とはチームメイトでした。そこで知った監督の性格を考えても、今の浦和にはいいのではないかと思っています。

堀監督が現役選手として湘南でプレーしていた2000年、僕も同チームに加入しました。チームの中で年齢が上だった堀選手は、「気配りの人」で、選手を見極めるのが得意でした。今度は監督として、選手たちを見る目が生きるのではないでしょうか。

広島ではペトロビッチ監督に育てられた森保一元監督が、その後チームにタイトルをもたらしました。今回も、ペトロビッチ監督に育てられた堀監督が苦境をプラスに変える可能性もあるのです。

浦和には、まだACL、ルヴァンカップ、天皇杯というカップ戦の優勝の可能性が残っています。もちろん、リーグ戦だってどうなるかわかりません。今年、タイトルを一つでも獲ったら、チームは大化けすることだってあります。

堀監督が持っているエッセンスは本当に素晴らしいと思います。どんな采配を見せてくれるのか、そしてどんな急上昇が起きるのか、僕は楽しみにしています。