マット・クーチャー【写真:Getty Images】

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全英OP、スピースと死闘演じたクーチャーに飛んだ“野太い掛け声”に脚光

 ジョーダン・スピース(米国)の初優勝で幕を閉じた海外男子ゴルフの全英オープン。グランドスラム第3戦の最終日に最大の見せ場を作り、スピースと死闘を演じたマット・クーチャー(米国)の好ショットになぜか罵声が浴びせられたと憤慨する声が沸き起こり、話題となっている。

「全英オープンでファンがマット・クーチャーにブーイングを浴びせたと一部の人々が糾弾」と特集したのは、米ゴルフ専門メディア「ゴルフ.com」だった。

 クーチャーのショットを熱い視線で見つめるギャラリーからは毎回、必ず野太い声で掛け声が飛んだ。低音の大合唱は「ブー」という批判の声に聞こえなくもない。

 ツイッター上でも「なぜ人々がマット・クーチャーにブーイングするのか理解できない。これはクールじゃない。彼らはコースから排除すべき」「ジ・オープンの表彰式でも彼らはマット・クーチャーにブーイングしたのか」など、紳士淑女の国で行われるスポーツ界の祭典で準優勝したクーチャーに対する“罵声”に憤る声が巻き起こった。

 さらには、大手ブックメーカー「コーラル」の公式ツイッターも「信じられないほど残酷だ。ジ・オープンの観衆はパットの後にマット・クーチャーをブーイングしている」とレポートしたほどだった。

「たまにゴルフを見る視聴者なら、混乱すべき光景」…“ブーイング”の正体は?

ゴルフ.com」の記事では「もし、あなたがたまにゴルフを見る視聴者なら、これは混乱すべき光景だろう。笑顔で礼儀正しいマット・クーチャーが不満のファンから攻撃されているのだから」と報じている。

 だが、実際には野太いブーイングはクーチャーへの声援に他ならなかった。「クーチ」という掛け声はゴルフファンにとってはお馴染みの応援だが、初めて聞いた人間にとっては、個人攻撃にしか聞こえない様子だ。

「時にほとんどのゴルフファンにとってお馴染みの『クーーーチ!』は『ブーーー!』に響きがほとんど同じのようだ」と特集でも分析している。

 正確なショットを武器に、最終日の追い上げでイングランドのゴルフ界でも一気にその名を知らしめたクーチャー。ブーイングならぬ、“クーチング”というファンの愛情表現も英国の人々に深く刻まれたことだろう。