日本のカバディ漫画が本場インドで話題 現地特集「カバディ人気の救世主に」
第2の「キャプテン翼」に? 「灼熱カバディ」にインドメディア「驚きの恩恵を授かる」
誰もが一度は耳にしたことはあるだろう、競技「カバディ」。なかなか一般のファンにはなじみが薄いスポーツであるが、最近、日本では漫画をきっかけに脚光を浴びている。そして、流行の現象は海を越え、本場インドで注目を集めているという。インドメディア「sportskeeda」が報じた。
「ある漫画が日本でカバディの人気を上げる救世主を買って出ている」
こう特集されたのは、小学館のWEBマンガ「裏サンデー」で連載中の「灼熱カバディ」だ。「カバディ発祥の地インドのプロリーグは5シーズン目を迎えているが、このカバディが漫画という方向から驚きの恩恵を授かることになっている」と紹介し、作品がカバディをテーマとして描かれていることを伝えている。
また、日本代表の主将・下川正將もインスタグラムで作品の表紙の写真をシェアしていることを紹介。「この漫画は日本の中でカバディの人気を高めるのを促すだけでなく、日本の文化とともにカバディの深い歴史的な描写に光を照らしてくれる」と説明した。
カバディといえば、各チーム7人がコートに入り、攻撃者が「カバディ、カバディ、カバディ……」と連呼しながら、ひと息の間に守備側にタッチして戻って得点を獲得。反対に自陣に戻るのを防げば、守備側に得点が入り、男子では20分ハーフで得点を競って勝敗を決める。
しかし、現状、日本ではなじみが薄いが、かつて日本のスポーツ漫画といえば、サッカーの「キャプテン翼」やバスケットボールの「スラムダンク」のように競技人口を爆発的に増やしたこともある。記事では、背景に日本の漫画文化が根付いていると分析している。
日本の漫画の世界的評価も背景に…「インド国内でも安定した数の愛読者を確保」
「最も人気の高いメディアである」と表現しながら、過去70年間にわたって飛躍的に成長し、日本文化などに関連したテーマを多く扱い、読者の心を惹きつけていると説明した。
「インドや欧州など世界各国から愛され、称賛を受けている」と日本の漫画が世界的に評価されているとも、つづっている。
そして「灼熱カバディ」についても「インドスポーツの伝統的な魅力を引き出しており、評判の向上に結びつけている。インド国内でも安定した数の愛読者を確保できていることは間違いない」と絶賛している。
また、日本代表についても言及。2007年W杯で準決勝進出し、世界に驚きを与えて以降は低迷していたが「昨年開催されたインドでのW杯では、大きな改善と挽回の兆候を示した」と評価。グループリーグで敗退こそしたが、2勝を挙げ、奮闘。さらに日本の漫画を通じて日本の強化について期待を込めている。
「最近は漫画という日本らしいやり方も手助けし、その数も大幅に増え始めている、インドと同じような強化を促す道を見出し始めている。そして、そういった日本人選手がインドのプロリーグにやってくる機会が増えれば、その人気も大きなものとなっていくに違いない」
果たして、カバディの母国が注目するカバディ漫画をきっかけにして、日本にカバディブーム、さらには代表チームの強化に結び付くのか。現状、五輪競技に採用されておらず、インドでも世界的な普及が期待されている。