役所に死亡届を提出すると自動的に銀行にも知られて口座は凍結されるの?

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「死亡」は文字通り人生の精算である。法律面においては、死亡したその人名義の債権債務や財産などといった痕跡は、一切整理されねばならなくなるのだ。預金債権とも呼ばれる銀行口座も、預金者が死亡すれば、預け入れをしていた金融機関は、相続が開始されるまで口座を凍結しなければならない。これがどのようなトラブルを招くことになるのだろうか。「教えて!goo」には「預金凍結について」という質問が寄せられている。

■夫が稼いで妻の口座に振り込んだお金であっても引き出せない?

質問の内容はこうである。夫の収入を妻名義の銀行口座に預金していて妻が死亡した場合、この預金はどうなるのだろうか。回答には2つの意見があった。1つは、妻から夫へ相続されることになってしまい、当然、相続税もかかるというもの。

「金融機関にとっては専業主婦でお金はダンナの稼ぎからだった…なんてのは関係ありません。相続の手続きをすることになるでしょうね」(Wr5さん)

「妻名義で預金させたということは,妻にそのお金を贈与したのであり,元々が夫の収入であっても,妻の財産になったと考えるのが原則だと思いますけどね」(utamaさん)

もう1つは、こうした事態を避けるために何ができるかという予防の側面からの声である。

「質問のようなケースでは夫名義の口座で妻が代理人カードを持つのが一般的です」(jahamさん)

「キャッシュカードの利用が出来ればベストでしょうね。また、予め口座のネット処理を可能に設定しておく必要がありますが利用できれば入出金の自由度は高くて便利です」(PIPENOKEMURIさん)

お金は、一緒くたにされてしまえば、どこからが誰のお金かという範囲が証明しにくい。夫婦の共有財産という認識で一方の口座に預金するとしても、こうした凍結の事態をあらかじめ予測する必要がある。

■銀行はどうやって「死亡」を知るの?

ここまで死亡者口座の凍結について紹介したが、銀行は一体どのタイミングで預金者の死亡を知るのだろうか。市役所など死亡届を受理した公的機関から銀行に連絡が入って、それに従って銀行が預金の凍結を行うのだろうか。これについて、心に残る家族葬を行う葬儀アドバイザーに解説していただいた。

「死亡した事実を役所が銀行に伝えることはありません。そもそも銀行は民間企業ですから、プライバシーに関わる情報を共有できるような公的な権利はありません。ちなみに役所は、相続税法上、税務署には死亡した事実を通知する義務を負っています。税務署ではその方の死亡した事実を知ると、過去の所得税の申告状況などから、その方に財産があるかどうかは自動的にわかるようになっています」

では銀行はどのようにして預金者の死亡情報を手に入れているのだろうか。

「預金者が死亡したら、通常は窓口に預金者の家族等が手続きにやってきます。それは、相続手続きを行うためにです。相続は被相続人が死亡した事実を知った日から期限のカウントが始まるので、できれば早く始める方がよいとされます。窓口担当者は、死亡した事実を知ったらすぐに、顧客の口座に『死亡コード』を設定します。これでもう、ちゃんと相続の手続きをし終えてしまわない限り、お金を出すことも、入れることも(入れる人はいないと思いますが)できなくなります。その他に、例えば新聞などメディアのニュースで知り得た場合や、葬儀の会場案内の看板などで、たまたま知ってしまった場合、ご近所の噂話から知り得た場合でも、『死亡コード』は設定されてしまいます。なんにしても、銀行員に知られた時点で預金が凍結されると考えればよいでしょう。」

マイナンバーのように個人の情報が一括して統制されていない分、銀行が知る死亡のタイミングも非常にアナログな方法が多いようだ。しかしアナログなだけに、どこで知られるかの予測はつきづらい。やはり、死亡後は速やかに相続の手続きと精算が始まることを念頭に置いたうえで、預金口座の対策を練らねばならない。

専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー

故人の家族と生前に親しかった方だけで行う家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安な家族葬を全国で執り行っている。

ライター 樹木悠

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)