今回AFCが公式発表したことにより、一連の暴行事件を伝えるメディアが急増。その余波はさらなる広がりを見せている。(C)SOCCER DIGEST

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 アジア・サッカー連盟(AFC)が6月9日に発表した「ACL暴行事件」に対する裁定は、大手通信社や有力メディア、SNSなどを通して広く世界中に伝えられた。
 
 なかでも英国発のサッカーサイト『90min』は、独自の表現を使って一連の経緯を紹介した。

 導入部分で「アジアサッカーと言えば中国スーパーリーグにばかり注目が行きがちだが、真のクラブナンバーワンを決めるのはアジア・チャンピオンリーグだ。そのラウンド・オブ16で事件は起きた」と書き綴り、第2レグとなった試合(浦和レッズ済州ユナイテッド)の位置づけや試合展開を詳報。暴行事件と試合後の騒動については、「These guys well and truly threw their toys out of the pram」と断じた。直訳すると「彼らは乳母車から玩具を投げつけた」となり、英語圏では「ひどく子どもっぽい振る舞い」を表わす慣用句としてよく使われる。そして3選手と両クラブに対して、AFCが相応の処分を下したと報じた。

 
 ドイツの有名な移籍専門サイト『transfermarkt』はまず、片方だけでなく両クラブに罰金が課された事実を伝え、6か月の出場停止となったチェ・ヨンヒョンについては「厳しい処分だが、その内容を鑑みれば妥当だろう」とした。
 
 さらに、イタリアのサッカー専門サイト『tuttocalcioestero』も「暴行を働いた済州の選手たちに厳罰が与えられた」と銘打ち、AFCの説明文を引用。「これによって試合後に起こった醜い暴力行為の真相が明らかになった」と記している。
 
 AFCが公式ホームページに掲載した裁定の内容は以下のとおり。
 
 阿部勇樹に肘打ちをしたペク・ドンギュに3か月の出場停止と1万5000ドル(約165万円)の罰金、試合後に「もうひとりの浦和選手」を殴打したクォン・ハンジンには2試合の出場停止と1000ドル(約11万円)の罰金を言い渡した。そして、退場処分になったにもかかわらず試合の騒動に加わり、主審を突き飛ばしたチェ・ヨンヒョンには、6か月の出場停止と2万ドル(約220万円)の罰金が課された。

 クラブに対する処罰は、済州に4万ドル(約440万円)、クラブ関係者が乱闘に加わったという理由で、浦和にも2万ドル(約220万円)の罰金処分が下されている。
 
 韓国の国内メディアによると、済州側は今回の裁定を不服とし、韓国サッカー協会の協力を得ながら、異議申し立てを行なう方針だという。

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