ソニーならではイノベーション 触れるプロジェクターXperia Touchがが描く未来とは?【Turning Point】

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ソニーモバイルコミュニケーションズは、プロジェクター一体型Androidデバイス「Xperia Touch G1109」を6月24日に発売する。販売価格はオープン価格ながら、ソニーストアでは149,880円(税抜)の価格表示があり、6月9日より予約販売を開始する予定だ。

Xperia Touchが描こうとする未来はどんなものなのだろうか?

今年4月、ソニーモバイルコミュニケーションズはメディア向けにスマートプロダクトの新製品としてXperia Touchを披露した。
Xperia Touch は、CDケースほどの箱形の筐体にプロジェクターが内蔵されており、床面や壁面にゲームや動画を投映することができる。さらに、それを触って操作できるという近未来的なデバイスだ。

搭載するプロジェクターデバイスは、昨年発売したポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」の技術を用いているとのことで、部屋を真っ暗にせずとも映像を楽しむことができる。もちろん、暗くすることでさらにコントラストの高い映像を堪能することができる。なお、Xperia TouchにはHDMI入力があるので単純にプロジェクターとしての利用も可能だ。

Android部分はミドルクラスのCPUとなるQualcomm「Snapdragon 650」を搭載し、3GB RAM、32GB内蔵メモリ、Android OS 7.0を搭載する。このことからも、オールマイティに使えるスペックを持つ。

内蔵するプロジェクターによって投映されたAndroidの画面は、マルチタッチ操作に対応しており、スマートフォンやタブレットのような使い方ができる。
ただし、(タッチを読み取る仕組みについては割愛するが)、Xperia Touchの正面からタッチをセンシングするため、マルチタッチ操作の場合、指の影に入った奥の指の入力は途切れてしまう欠点がある。

そんな欠点があるものの、なんの変哲もないテーブルや床面、壁面に投映したAndroidの画面に触れて操作できることは、実に革新的だ。




ソニーは、このXperia Touchで新たな価値体験を創造しようとしている。
そのコンセプトは、自分だけのスマートデバイスから、家族でコミュニケーションができるスマートデバイスとしての提案だ。

大画面化されたとはいえ、画面が小さいスマートフォンはともかくとして、画面がノートPCサイズまであるタブレットでも、家族で画面をシェアするにはのぞき込むような使い方が強いられる。

一方、Xperia Touchは、タッチ操作可能な大画面でそのニーズを掘り起こす。

Xperia Touchは、家族が集まるテーブルに映像を投映し、共有したい情報や、予定、地図などをみんなでワイワイ言いながら楽しむことができる。マルチタッチに対応しているので対戦ゲームで盛り上がるなんて使い方も可能だ。

面白いと感じたのは表示のための板(ディスプレイ)がないことで、映像が生活に溶け込んでいることだ。

例えば、
慌ただしい朝の食卓もさりげなく天気予報や時刻がテーブルに投映されているだけで、気づきに一役買うこと間違いなしだ。

果たしてこうした使い方を含めて、Xperia Touchがどう使われるのか?
それは製品が発売されてかあらということになるわけだが、Xperia Touchを一度使ってみれば、壁や床に投映された映像に対して、タッチで操作できる新鮮な感覚は、大きな刺激とアイデアを与えてくれることだろう。




どこにでも投映できるというメリットは、意外に多くある。
例えば、
小さな子どもが叩いて操作してもスマートフォンのようにガラスを割ってしまうような心配をする必要がない。
同様に濡れた手でタッチしても誤動作することもない。
大人だけではなく、子どもも安心して操作できるというわけだ。

Xperia Touchが持つ未来感は、ディスプレイの四角い表示領域を必要としないことで得られ自由度だ。

この技術は、キーボード型PCに内蔵すれば、キー入力とタッチ操作で作業をすることもできるかも知れない。また、画面そのものが不要なので、スマートホームにおいてインテリアと調和できるIoT機器のコントローラーとしても利用できる可能性もあるだろう。

Xperia Touchにも期待したいが、それ以上に、この革新的な技術を使った次のデバイスの開発、登場にも大いに期待したいところだ。
そして新たなソニーらしい価値体験を生み出し、イノベーションを起こして欲しいと思う。


執筆 mi2_303