出張マッサージを呼んだマダム(横山めぐみ)が、裸でベッドにうつ伏せになって叫ぶ。
「ああ…いい…感じる」「ああ…あなたってすっご〜い!!」
その声はお屋敷の外にまで漏れ、画面が揺れる。
「特命係長只野仁」の再来……ではなく、これはマッサージ師が事件の謎を解く、ちょっと変わった探偵の物語。


ジャニーズ歴代の探偵役に新キャラが誕生


4月8日(土)からスタートしたドラマ『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系土曜深夜0時20分〜)。主演を務めるのはKAT-TUNの中丸雄一。

「この世にはこれまで様々な探偵が生まれてきた」と始まるオープニングでは、
歴代のジャニーズタレントが演じてきた探偵の役を中丸が扮して紹介していく。
堂本剛や松本潤、亀梨和也、山田涼介と代々演じてきた『金田一少年の事件簿』を「じっちゃんが有名な高校生探偵」、松本潤主演ドラマ『99.9―刑事専門弁護士―』も「0.1%足りない弁護士」と揶揄。「なんでも探偵にすればいいってもんじゃない!」とツッコミを入れておきながら、新たに始まるドラマも探偵もの。なんでも探偵にすればいいってもんじゃない……。

神の手と鋭い観察眼を持つ男「マッサージ探偵ジョー」1、2話


コミュニケーションが苦手なジョーは、「平匡さん」と張り紙をした人体模型で目を見るトレーニング。(さりげなく「逃げ恥」)
汗をかきながら模型を見つめる目が怖い。店の猫背矯正の張り紙とは対照的に、ジョー自体がかなりの猫背。なぜマッサージ師になったのだろうか……。

それでもいざマッサージをする場面になると「集中……気海、中院、壇中」と自分の体のツボを押してスイッチを入れていく。最後に目を閉じて、両手の親指でこめかみを押し、「太陽!…っだぁっ」と目を開けば、背中に無数のツボが見える。
集中した時のジョーは別人みたいに男前で、カッコイイ中丸くんが登場する。
怯えながら人と接する表情、いざとなると目をかっと開いて力む姿、振り幅がありすぎる表現は、もはや顔芸の域。
1話では横山めぐみの程よい肉付きの色気に満ちた背中をゆっくりとマッサージ。2話目は女子校が舞台と、女性の体をメインにほぐしている。そこに全くエロさを感じないのがジョーらしくもあり、まっすぐで素直な“素”の中丸くんが滲んでいるように思う。

これまでに2話が放送されたが、出張マッサージに出かけるたびに事件が起こり、犯人ではないかと疑われてしまうジョー。
ほぐす堂で働く同僚、元気で好奇心旺盛なアグリ(小芝風花)に引っ張られながらマッサージ師ならではの観点から事件の真相を暴いていく。

犯人逮捕に奔走する警察官二人、マネーこと金石徹(小沢征悦)と、タイガーこと加藤虎雄(和田正人)から疑いの目を向けられてしまうが、容疑者が揃ったところで全員にマッサージをさせてくれと申し出る。
どんだけむちゃくちゃな展開だよ!とツッコミたくなるけれど、ツボの状態や、使った筋肉、ケガの痕跡など、体の情報を正確に読み取って説明をしていくジョー。細かすぎる分析が腑に落ちる。
犯人がわかると一言「事件の謎がほぐれました」。
決めセリフキター! マッサージ師だけに「ほぐれた」ですか。
その上、「これが事件のツボだ!」と親指を立てて事件の根本、ツボを徹底解説する。例えば「膝の下にある足三里というツボは胃と繋がっています」とツボを指しながら説明するので、さりげなく実用的であるのもこのドラマのおもしろいところ。

行く先々で事件が起きてしまうのは探偵ドラマならではだけど、1話目で犯人を見つけ出したこともあり、2話ではマネー&タイガーから利用されてしまっていたので、この調子で今後も巻き込まれ続けるかと思うとジョーが耐えられるのか心配になる。
ただ、ほぐす堂の主であるエコ婆(倍賞美津子)がジョーの秘密を知っているようで、経験を積ませることで何かしら変化が起こりそうな気配もあり。3話からは物語がどんどん展開していきそう。

(柚月裕実)

「マッサージ探偵ジョー」(テレビ東京オンデマンド)はamazonプライムでも。また中丸が歌うドラマの主題歌『お疲れサンクス』もダウンロード配信中。