アップルが「歴代最安」iPadを発売したワケーーいつもとは違う、本当に変わった点とは

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Appleは9.7インチ「iPad」を発売しました。Apple直営店のほか、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社も取り扱いを開始しています。

いざ実機に触ってみましたが、見た目や手にした印象に、特筆すべきことはありません。iPad Air相当のボディにA9チップを搭載し、指紋認証システムのTouch IDに対応するなど、「時代に合わせたいつもの高品質なiPad」です。それで十分です。

どこか懐かしい質感ーー新9.7インチ「iPad」に触って感じたこと:速攻フォトレビュー

タブレット需要伸び悩みを、教育分野で挽回


もっとも注目すべきは3万7800円(税抜)〜という低価格。これは歴代の9.7インチiPadで最安です。

背景としては、iPhoneの大画面化により需要が奪われ、iPadの販売台数が伸び悩んでいる事情があります。そのためAppleは、ビジネスや教育分野へのiPadの導入を推進。今回の新しいiPadで「お手頃価格で、企業や学校で安心して使えるモデル」への需要に応える形となりました。

教育の中でも、プログラミングをはじめとするICT教育は、今後Appleがより注力する分野です。新型iPadや(PRODUCT)REDのiPhone発表の影に隠れてしまいましたが、同日にはプログラミング言語「Swift」を学べるアプリ「Swift Playgrounds」の日本語対応も発表されています。

さらに、Apple製品を使って、学校の教師をサポートする「Apple Teacherプログラム」も開始。ここでは、iPadやMacを使った教え方・学び方の基本を伝えるガイドをすべて無償提供します。

なお、プログラミング教育には教師の理解と指導力向上が不可欠です。そこでAppleは、Swiftの教え方を学べるコンテンツ「Everyone Can Code」の日本語版の提供も開始。日本に限定するなら、実は新色iPhoneや新型iPadよりも、教育関係のリリース(と日本語対応)のほうが多かったのです。

新しいiPadは、教育現場で普及するモデルの始まり


2020年には日本の小学校でもプログラミング教育が必修に。今回の新型iPadシリーズは、これから教育現場に普及するモデルの始まりであり、家庭でも学びのツールとして活用されることでしょう。

もちろん子どもだけでなく、大人の学びにも。