マクドナルドアメリカ本社の公式ツイッターアカウントが、ドナルド・トランプ米大統領を批判する内容のツイートを行った上そのツイートをプロフィール上に固定表示し、ツイッター社からの連絡を受けて即刻削除する、という騒動があった。マクドナルド社では、何者かによってアカウントを乗っ取られた、と表明している。

 投稿の内容は、「@realDonaldTrump You are actually a disgusting excuse of a President and we would love to have @BarackObama back, also you have tiny hands,」

 翻訳すると、「ドナルド・トランプへ お前は実際、うんざりするような大統領だ 我々はバラク・オバマが戻ってくることを心底から望んでいる お前は小さすぎる」といったところである。

 アカウントを乗っ取り、マクドナルド公式アカウントに上記のごときツイートを行わせた犯人が何者であるのかは、同社は「外部からのハッキングであることが明らかになった」としているものの、それ以上のことはまだ明らかになっていない。

 口さがない世間の声の中には「実際には内部犯行なのではないか」などと勘繰る向きもないではないが、万が一仮にそうであるとしても、不正なアカウント乗っ取り行為であることに変わりはないだろう。犯人がマクドナルド内の人間であるかマクドナルド外の人間であるか、というだけの話である。

 一つ確かなのは、犯人はトランプ大統領に対して批判的な人間である、ということだ。またもう一つおおむね確かなのは、「マクドナルド公式アカウントの口を借りて大統領を批判させた」というこの行為について、米国の市民からは少なからぬ喝采の声があった、ということだ。

 しかし、このような行為は、情報セキュリティ上の不正行為であるだけでなく、政治的にも卑劣な所業と言うべきものである。なるほどトランプ大統領の諸々の政治行為は数多くの問題を引き起こしており、支持率は下落傾向にあり、批判の声は高まっているかもしれない。

 だが、アメリカ合衆国の大統領に対して文句があるのなら、このようなことをせずとも、自らのアカウントを用い、堂々と批判すればいいだけの話である。人々の耳目を集めるためだけに、不正な手段によって私企業の知名度を利用するなど、下劣で悪辣なスタンドプレイであると言うほかはない。

 なお、この問題について、トランプ大統領自身は現在のところ何の声明も出していない。