例年になく移籍が活発化している印象だけど、国内で選手を入れ替えているだけで、リーグ自体がレベルアップしているかは疑問(写真は横浜から磐田に移籍した中村)。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 2017シーズンのJリーグの日程が発表されたね。
 
 今季は2年ぶりに1シーズン制に戻る。ただ、今年はどうしてもロシア・ワールドカップ行きを賭けたアジア最終予選のほうが注目されそうだし、さらに、アントラーズが昨年のクラブワールドカップで準優勝したことで、ファンやサポーターの目は国外に向けられ、ACLでJクラブがどこまで勝ち進めるかに、興味がいきそうな気がするよ。
 
 Jリーグとしては、賞金が増えることが話題となり、各クラブが優勝を目指してチームの強化に力を入れて、例年になく、移籍市場は活発な印象を受ける。
 
 とはいえ、かつてのように世界のスター選手が来日するわけじゃない。マリノスの俊輔がジュビロに、フロンターレの大久保がFC東京に移籍したように、国内の中で選手を入れ替えているだけ。リーグ自体が総合的にレベルアップしているとは思えない。
 
 ヴィッセルが元ドイツ代表のポドルスキの獲得に動いているようだけど、ニュースが流れてから、だいぶ経つよね。これについては、実際に移籍が決まってからでないと、話にならない。
 
 ヴィッセルをスポンサードしている会社は、バルサとパートナーシップ契約を締結するぐらいだから、ポドルスキ以上の選手に狙いをつけてほしいね。まあ、選手の獲得は、楽天で手軽に買い物するようにはいかないというわけだ。
 
 外国人選手に関しては、今季からは国籍に関係なく、登録できる人数が5人まで拡大されることになった。でも、試合にエントリーできるのは3人まで。これにプラス、アジア枠か提携国枠でひとり登録できるとはいえ、大きな変化は感じられない。むしろ、余計な経費がかかるんじゃないかと心配になるよ。
 
 なぜ、そこまで3人にこだわるのか。日本人選手を大事にしているのかもしれないけど、どこかアマチュアリズムから抜け出せていない感じがするよ。
 
 新たに海外移籍を目指す日本人選手もいる。例えば、アントラーズの柴崎や、マリノスの齋藤には噂があるけど、こちらも正式な発表はまだだ。
 
 相変わらず、日本のメディアは熱心に報じているよね。たしかに柴崎は、クラブワールドカップのレアル戦で2ゴールを決めたし、そのインパクトは大きかったのだろう。
 
 歴史的な活躍だったかもしれない。でも、言ってしまえば、“あの時だけ”で、欧州市場で注目されるような結果をコンスタントに残しているわけではない。噂される移籍先も、決して強豪クラブではないし、もし移籍が実現したとしても、試合に出られなければ意味がないよ。
 
 いずれにしても、1シーズン制に戻り、ダ・ゾーンと新たな放映権契約を結ぶなど、今年は二度目の「Jリーグ元年」として捉えているよ。話題性がないわけではないし、これでまたJリーグが盛り上がりを見せることができるか。プレーする側も、あるいは観戦する側も、危機感を持ってサッカーと向き合うべきかもしれないね。