ただしコバルトはビタミンB12の構成成分であり、野菜しか食べずB12が欠乏すればヒトの集中力や免疫力は低下し、うつを発症しやすくなる。一方で摂り過ぎは不眠や疲労感にもつながる。たんぱく質と結合すればコバルトイオンを発生しないことからビタミンB12の摂取はこれに該当しないとしている。

最後に「メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCV)」について。高齢者の顔面や頭部などに発症することがある悪性度の非常に高い神経内分泌系腫瘍の「メルケル細胞癌」。膨らんだホクロのような無痛性の紅色の結節で、MCVはこの発症に大きく関与しているとのこと。成人約60%の皮膚にこのウイルスが棲みついているが、そこに非常に稀な遺伝子変異が重なると腫瘍が発症する。早期では外科的切除と術後の放射線療法が有効だが、致死率33%とメラノーマとともに恐れられている。紫外線B波の強い地域、黒人より白人において発症率がぐんと高くなり、近年その患者数は急増しているという。

最後に、放射線や紫外線の被ばくを避けるのと同じように、これらの7物質のうちトリクロロエチレンとコバルトは人為的努力で遠ざけたり減らしたりすることが可能であると示された。しかし上記のウイルスについては「ワクチンなど感染の予防手段はない」とのこと。せめて普段から健康的な食生活や質の良い睡眠を心がけ、免疫抵抗力を落とさない、遺伝子変異を招かない努力が必要となるそうだ。

出典:https://www.nih.gov
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)