iPhone連携にも対応した新「ポメラ」、PCとは異なる文字入力に特化した進化の歴史とは

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会議の議事録や取材のメモ書き、そして原稿の執筆など、シンプルに文字入力だけをしたいとうユーザーは意外にいる。

そうした人たちに人気のあるデバイスがキングジムの「ポメラ」だ。
いうなれば、進化したワープロと言ってもいいのかもしれない。

そんなポメラが新モデル「DM200」を発表した。
「DM200」は、Wi-Fi機能を搭載し、iPhoneのメモアプリと同期できるなど、さらなる進化を遂げている。

ポメラの歴史を振り返りながら、ポメラの進化を見てみよう。

●専用ATOKとWi-Fiを搭載してより快適な入力デバイスに
文字入力に特化したデバイスのポメラ
製品名は、「“ポ”ケット・“メ”モ・“ラ”イター」の頭文字から付けられている。

ポメラ」は、
・起動してすぐに文字入力できる
・快適な入力が行えるキーボードが付属している
・日本語入力の変換精度に定評があるジャストシステムの「ATOK」を搭載している
これらが、大きな特徴だ。

最新モデルの「DM200」は。これらの機能のほかに、
・Wi-Fi機能を搭載
・「Evernote」にテキストデータをアップロードできる
・Wi-Fiプリンターからの印刷ができる
iPhone、iPad、Macのメモアプリと同期できる「ポメラSync」を搭載
こうした新機能により、入力したテキストをスマホやパソコン上でコピペすればSNSへの投稿やメールの送信も可能だ。

また、日本語入力システムには、ポメラに最適化された「ATOK for pomera[Professional]」を搭載し、語彙数は従来機種の3倍と増えている。

本体サイズは263(幅)×120(奥行)×18(高さ)mmと、前モデルのDM100より薄くなっているが、画面サイズは5.7インチから7インチへと大型化し、広い画面を見ながらの入力が可能となった。
キーピッチは従来機と同様に17ミリをキープしていて、快適なキー入力を実現するスペックを確保している。

「DM200」は10月21日に発売開始。価格は税別4万9800円で、機能アップしたぶん、前モデルのDNM100の3万8000円よりも、高額になっている。

●コンパクトに折りたたみできた初期モデル
ポメラの初代モデルは、2008年に発売された「DM10」。
同じくキーボードを搭載するノートパソコンとは一線を画し、コンパクトで持ち運びやすいこと、起動してすぐに文字入力を開始できることなどから、販売元の予想を大きく超えて出荷台数を伸ばすことになる。

コンパクトさの追究では、折りたたみ式のキーボードを採用し、文庫本程度のサイズで携帯することを可能としていた。折りたたみのギミックもマニア心をくすぐるものだった。

また、初代モデルから17ミリピッチのキーボードを搭載.
日本語入力システムにはATOKを採用するなど、快適な文字入力環境を追究していた。
2万6000円という手頃な価格設定も人気の理由の1つとなった。


初代モデルの「DM10」。さまざまなカラーバリエーション展開もされた。


初代モデルは1ファイルの文字量に約8000文字の制限があった。
しかし2009年には、これを28000文字まで拡張した「DM20」が登場した。
その後、初代モデルと同等の性能で廉価な「DM5」など、複数のモデルが登場する。

2010年には、数量限定の機動戦士ガンダムコラボレーションモデル「DM11G」が登場。
シャア・アズナブル モデル、ランバ・ラル モデル、ジオン軍 モデルの3モデルが発売された。

2011年には折りたたみ機能を排除し、ストレートタイプのキーボードを搭載するDM100が登場する。
文庫サイズのコンパクトさという魅力は失われたが、より安定した入力が可能となった。
また、本体も薄型となり、かばんの隙間に入れて持ち運ぶなどの利用がしやすくなった。
さらに、電子辞書機能、バックライトなどを搭載したほか、Bluetoothでスマホのキーボードとして使える特徴もあった。

一方で、折りたたみキーボードタイプのニーズも引き続き大きく、
2013年には折りたたみキーボードタイプの後継製品「DM25」が登場している。
現在では、折りたたみキーボードタイプのシリーズはいずれも製造終了となっている。

ポメラは年々進化し、より多機能で使いやすくなってきた。
一方で、旧モデルからのユーザーにとって、新モデルは大きく、高額になったという印象もあるようだ。

パソコンとは異なる独自の進化を続ける「ポメラ
今後も、さまざまなニーズに対応しつつ、進化が続くことを期待したい。