フェイスブック「知り合いかも」機能に疑惑浮上、ストーカー被害の懸念も

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フェイスブックが「知り合いかも」機能にユーザーの位置情報を使用していると報じられ、物議を醸している。これが事実なら非常に気味の悪い話だ。

今回の件を報じたFusion.netによると、フェイスブックの広報担当は当初「位置情報だけでは友達なのか判断できないため、あくまで一つの情報源として使用しているに過ぎない」と述べ、その事実を認めたという。これに対し、Fusion.netはユーザーのセキュリティやプライバシーを脅かすものだと警鐘を鳴らした。

しかし、不可解なことにこの報道以降、ユーザーが批判的な反応を見せ始めた途端にフェイスブックは発言を撤回した。同社はSlashdot.orgに投稿した声明の中で次のように述べた。「我々は端末の位置データやプロフィールに登録された位置情報を利用しておらず、共通の友人や勤務先、学歴、登録しているネットワーク、インポートした連絡先などに基づいて友達を推奨しています」

位置情報の件は置いておいたとしても、「知り合いかも」機能にはまだ腑に落ちない点が残る。フェイスブックが推奨する友達の中には、プロフィールデータ上のつながりは全くなく、探偵を雇って過去の人間関係を調べ上げたとしか思えないような人物が含まれることがあるのだ。

あるユーザーは筆者に次のように話してくれた。「今朝フェイスブックは私が恐怖心を抱いている元交際相手を友達として推奨してきました。私の携帯電話にはその人物の連絡先は登録されておらず、共通の友人もいません」。筆者は二人をつなぐ情報が本当にないのか何度も確認したが、一切見つからなかった。同じようなことが多くのユーザーにも起きているとしたら不安に駆られる。

ストーカー被害の恐怖

「フェイスブックは、私のことを必死で探している人物に私のことを推奨するかもしれません。相手が長らく会っていない親戚ならまだしも、ストーカーだったらどうなるのでしょう」とこのユーザーは不安を漏らした。

「知り合いかも」機能は、汚れた川の土砂を吸い上げる機械のように我々の過去を洗いざらし調べているかのようだ。例えば、ある人物があなたの家の郵便箱に火をつけたとしよう。あなたの職場の友人の元同僚がその放火犯と同じ学校の出身だった場合、フェイスブックはその放火犯を友達として推奨してくるかもしれない。

また、別のユーザーは、「フェイスブックは、私が過去に利用したリクルーターや、共通の友人がいない昔の同僚を友達として推奨してきます」と述べている。フェイスブックは一体どうして友達とは程遠い人物を推奨してくるのだろうか。

かつて、筆者は「ダンバー数」の理論を引用し、ソーシャルメディア時代における友達の定義について記事を書いた。ダンバー数とは心理学者のロビン・ダンバーが提唱した、人間が安定した関係を維持できる個体数の上限の理論だ。

「ダンバーの理論によると、人間がつながりを持てる友達の数は150人までだという。この中には、連絡が途絶えた幼少期の友達や、関係性が薄くてソーシャルなつながりのない人は含まれない。しかし、これらの”薄い関係性”の相手も対象にすれば150人を大きく上回る可能性がある。また記憶力の良さによっても個人差が出るだろう」

この理論に従うと、フェイスブックが推奨してくる膨大な数の人々と本当に友達になれるのかどうかは疑わしい。フェイスブックは、リンクトインと同様にユーザーのネットワークをどんどん拡大しようとしている。これはプライバシーを著しく侵害する行為だが、そもそもソーシャルメディアにはプライバシーなど存在しないのだ。

つまるところ、フェイスブックは我々を広告配信のためのプロダクトとしてしか見ておらず、ユーザー間の人間関係など無視してなるべく多くのユーザーをつなげることに全力を尽くしているのだと結論づけられる。フェイスブックが気にしているのは、どれだけ多くのユーザーを、ネットワークの中に位置づけられるかということだけだ。

ソーシャルメディアは人々が過剰につながった奇妙な世界であり、気に入らなければさっさと退会すべきだ。その際には、フェイスブックの退会者の多くがするように、長々と理由を書いて投稿することを忘れないように。

筆者はフェイスブックに対して「知り合いかも」機能がどのような仕組みになっているのか質問をしている。回答があり次第ご報告したい。