乃木坂46衛藤美彩が雑誌のソロ初表紙にBUBKA6月号で挑戦。今回、初めての撮影に大喜びの衛藤へインタビューも行なっている。

─今回が実は初ソロ表紙のようですね!

衛藤 はい! もう本当に嬉しい!

─初ソロ表紙は絶対にブブカでやってもらおうと、狙ってたんですよ。

衛藤 前作(『今、話したい誰かがいる』)で初めて十福神入りしてフロントに立たせていただいたときも、ソロでの表紙はなくて。まだまだ頑張らなきゃと思ってたところだったんです。

─では満を持してってことで。

衛藤 いえいえ、まだまだだと思いますよ。でも、今は素直に嬉しいです!

─衛藤さんにはグラビア以外にも、定期的にBUBKAに出てもらってきました。

衛藤 そうですね。きいちゃん(北野日奈子)とバッティングセンター行ったり、ひとり飲みに行ったり。

─しかも、毎回必ず結果を残している印象なんですよ。実際、ひとり飲みの記事も北野さんとの記事も好評でしたし、その積み重ねの結果の表紙なので、すごく理想的な流れというか。

衛藤 いやぁ、そういってもらえるのは嬉しいです。

─実際、今の乃木坂の勢いを象徴しているのが、衛藤さんと齋藤飛鳥さんだと思っていて。

衛藤 私はただがむしゃらにやってきただけで。今までは怖いもの知らずというか、どんなことがあっても「負けない!」っていうのが衛藤美彩みたいなところがあったし、周りからそう見られてるのも感じてたし。でも最近はそうでもないですよ?(笑)

─あっ、弱気になることもあるんですね?

衛藤 弱気というか、焦りみたいな感じで。乃木坂が大きくなってきたけど、まだまだ目指すところは高いじゃないですか。例えば歌番組にしてもメドレーでやらせてもらえるようになりたいと思うし、紅白歌合戦も一回出て満足じゃなくて、それを続けられるかどうかが問題だから。足元をすくわれないようにちゃんと考えていかなきゃなって、人一倍考えすぎてしまうんです。そこでちょっと焦りが出てきて、今はもうちょっと伸び伸びしなきゃなと思ってるところです。私、結構面倒くさい性格なんですよ(笑)。

─でも、その謙虚さが乃木坂らしいなと思うんです。衛藤さんに限らず、皆さんどんなに人気が出ても調子に乗らないし。

衛藤 やっぱりこの世界に長くいたいと思うので(笑)。それに「乃木坂、すごいね」と言われても、もっとすごい人はたくさんいますし。

─衛藤さんの活動の軌跡を振り返ると、最初は個人としては決して恵まれた状況ではなかったと思うんです。周りからの評価も高く、握手会での人気も上位だったのに、選抜という形ではなかなか結果が出せなかったり。そこで葛藤することもあったと思いますが、負けず嫌いな気持ちが強く働いて、ここまで頑張れたわけですよね。

衛藤 そうですね。負けず嫌いと言ったら、きっと自分の意地みたいに思われるかもしれないけど、私の場合はファンの方のためというのも大きくて。だってこんな自分の……言ってしまえば他人の夢なのに、それをここまで必死に応援してくれるという、アイドルと ファンの方の関係ってすごいなと思うんですよ。だからこの人たちのために頑張らなきゃと思ったから、自分の負けず嫌いが働いただけで。ただ「悔しい、もっと上に行きたい」って気持ちだけだったら、ここまで続かなかったと思います。

─ファンの応援が原動力になったと。今もその気持ちは変わらず?

衛藤 強いです。でも最近ファンの人から感じるのは、私がどんどん前に行くところを見たい、応援したいという気持ちで。そう思うと、私はこれからどうすればいいのかなというのが悩みのひとつなんです。私自身は位置じゃなくて、 乃木坂の中でもっと具体的に必要な存在になりたいという思いが強いから。それに2人(永島聖羅と深川麻衣)が卒業することになってから、「卒業とか考えてるの?」ともよく聞かれるんですよ。でも、 私は正直、全然卒業を考えてなくて(笑)。

─その一言は、ファンの方からしたら嬉しいと思いますよ。

衛藤 たぶん、こうやってはっきりと言葉にしたのは初めてだと思います。まだまだみんなで「乃木坂 」というグループの価値を高めていこうと思っているところだし、その中で自分が目立つというよりは、グループにとって絶対に必要な存在になりたいし、何か担える場所が欲しいんです。でも、「衛藤じゃなきゃダメだ」と言われるまでの存在になるには、どうしたらいいか考えているんですが、なかなか答えが出ないんです。私、昔から器用貧乏なところがあって、それが悩みの種なんですよ。

─それはなんでもこなせてしまうってことですか?

衛藤 はい。昔からそうなんですよ、私。勉強も何かひとつだけ100点という感じでもなく、全部が平均的なんです(笑)。でも、最近はその器用貧乏さこそが、実は自分の個性なんじゃないかなって思うようになってきていて。だからそこを極めようと。スタッフさんから「そこが衛藤いいところだよ」と言われるようになってからは、少しポジティブに受け入れられるようになりました。例えば誰かが別の仕事で歌番組に出られないとわかったときに、いきなり呼ばれて代わりに出演するとか。そこで私の名前をパッと思いついて呼ぼうと思ってもらえるのは、やっぱり大きいですよね。だからそこで地道に信頼を積み上げていくことしかできないのかなと、今は思ってます。

─スポーツでもいろんなポジションを守れるユーティリティープレイヤーは、すごい重宝されますし、 立派な才能だと思います。そこを極めることが、衛藤さんの個性につながるかもしれないですね。

衛藤 だと嬉しいです。私、そんなに個性がないほうなので。

─えっ?  かなり個性的じゃないですか!(笑)

衛藤 ウソ?  私、超普通じゃないですか?  私から見たら、他のメンバーのほうがすごく個性が強いし。

─たしかにいきなりフィンランド民謡を歌い出す人もいたりするので、普通の基準がもはやわかりませんが(笑)。まあ、もともとは乃木坂のメンバーは普通の人たちばかりだったのかもしれないですが、はたから見たらもう十分に普通じゃなくなってきてると思うんです。

衛藤 本当ですか?  でも、なんなんでしょうね、私にしかない個性って。それがわかったときにアイドルを辞めそうな気がしますけど(笑)、今はそれを探す旅なのかなぁ。

─その自分探しの旅こそが、乃木坂ですものね。

衛藤 そうか。だから今もこうしてグループに残っているんでしょうね。