連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第3週「常子、はじめて祖母と対面す」第16話 4月21日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓


「思ってた以上にきれいだったから」
前のめりの清(大野拓朗)とのけぞる常子(高畑充希)、このトゥーマッチ感は舞台演出ぽい。でも、あっという間に化けの皮がはがれて、「話せば話すほど幻滅していくひと」と言われてしまう清にはピッタリと感じた。
最初は、「綺麗」と言われて、うっとりしてしまう、経験不足の常子。その淡い乙女心を、天ぷらへの食欲と勘違いする美子(子役・根岸姫奈)。
恋と天ぷら。どちらも食べ過ぎると胸焼けします。ってことなのかどうかは置いておき、この勘違いネタを、子供はこういうことしそう、それが無邪気でいい感じ、と思って書いている気にさせるのは、きっと「どうしたもんじゃろのぉ」と思ってほしいのだろうと解釈したい。
かか・君子(木村多江)は仕事を探していると、「40女を雇うくらいなら若い子雇うさ」と差別されるエピソードも同じく。妾になることを勧められたり、年齢差別されたり、さんざんなかか。しかも、視聴者に、ひどいなあ! と思わせるだけで、そこに対してなにひとつ作家の思想を入れない。それこそが、たくさんの人に支持される理由かもしれない。

目下、第1週の平均視聴率が21.7%、第2週が22.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とたいへん好評。これは「あさが来た」の1、2週より高い。
初登場の、仕出し屋森田屋のまつ(秋野暢子)と滝子(大地真央)との犬猿バトルも、誰にでも通じるベタがちょうどいいのだろう。清の、空っぽなのに自己顕示欲だけ旺盛キャラも、見事な典型的キャラ。
ハイブロウ過ぎず、誰もがそこそこ笑えるラインを1ミリも外さず狙えるのは、かなりの手腕だ、西田征史。
ちなみに、秋野暢子、大地真央とひとつ下の59歳。身長は大地真央よりちょっと高い170センチ(ウィキペディア情報)。
(木俣冬)