学生の窓口編集部

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日本では4月におこなわれる入学式。おとなにもなると何月生まれでも大差ありませんが、ちびっ子には重要。「早生まれ」なんて言葉が存在するほど、保護者にとっても気になる話題です。

そもそも「早生まれ」は、どうやって決まるのでしょうか? 日本の学校は3月31日時点の年齢が基準なのに対し、「早生まれ」は誕生日が1月1日から4月1日の意味、フシギなことに3月31日まではありません。これは、誕生日を1日目と数えるためで、1歳増えるのは翌年の誕生日「イブ」。そのため4月1日生まれは入学できるのに、2日のひとはもう一年待たなければいけないルールが存在するのです。

■4月生まれも「早生まれ」?

日本の学校に入学できるひとは、その年の3月31日の年齢で決まる仕組みになっています。たとえば、誕生した翌年の3/31は、

 ・1月生まれ … 1歳(14ヶ月)

 ・5月生まれ … ゼロ歳(10ヶ月)

小学校に入学するときも3/31時点の年齢で判断されるため、クラスメートに1月/5月生まれのひとがいたら、5月生まれは8ヶ月、4分の3歳も年上になります。

3/4歳なんてどうでも良くね? と思ったら「おとな」になった証拠、6歳=生後72ヶ月を基準とすると、ちびっ子にとって8ヶ月は1割以上の差なので体格/体力も大違い、そのため早生まれ/遅生まれなんて言葉が生まれたのです。

「早生まれ」とは、何月生まれを指すのでしょうか? 日本の「年度」は4月が起点ですから、4〜9月/10〜翌3月と考えるのが自然ですが、辞書で調べると1月1日〜4月1日生まれの意味。ナゼ4月1日が含まれる? とギモンが生まれます。3月31日時点の年齢が進学できるかの基準なので、1〜3月生まれならまだ理解できますが、4月1日も早生まれに含まれるのは「法律」によって決められているからです。

■誕生日は「1歳+1日」増える日

誕生日は、そのひとにとって生後「何日目」でしょうか? 24時間経てば1日、それ未満ならゼロ日と考えるのは数学的に正でしょうが、「誕生日が1日目」と定められているので、誕生が0時1分でも23時59分でも「同じ」と扱われます。

これは明治35年に施行された「年齢計算ニ関スル法律」によるもので、「年齢は出生の日より起算」と記され、誕生日が1日目と定められているからです。つまり、誕生パーティの「〇〇歳おめでとう!」は年齢プラス1日が正、厳密に20歳を祝いたいひとは、誕生日「イブ」にパーティをすべきなのです。

4月1日生まれが早生まれになるのも同じ理屈で、

 ・3月31日 = 誕生日の前日 = 1歳増えた日

たった1日違いの4月2日生まれになると、

 ・3月31日 = 誕生日の前々日 = 1日足りない = 1歳足りない

となってしまうため、4月1日が早生まれの最終日になっているのです。

もし誕生日をゼロ日目にすれば、次の誕生日が来るたびに1歳増えるので、早生まれの限界点は3/31と、4月にまたがらなくなります。こちらのほうがシンプルで良さそうですね。

誕生日ではなく、〇歳になったと祝うパーティは「前日におこなうべき」なのでしょうが、当日に会場で話すと「興ざめ」以外のなにものでもありませんので、せめてパーティが終わるまでは黙っておいたほうが良さそうです。

■まとめ

 ・日本の「進学」「入学」は、その年の3/31の年齢で決まる

 ・1/1〜4/1生まれは、「早生まれ」と呼ばれる

 ・法律によって、生まれた日が1日目と定められている

 ・4月でも1日生まれは、3/31に1歳増えるので「早生まれ」あつかいになっている

(関口 寿/ガリレオワークス)