’15年のIPOの目玉となった日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の「郵政3社」。いずれも公募価格を大幅に上回るスタートを切った
広がり続ける格差や給料頭打ちの経済情勢なぞどこ吹く風と言わんばかりに、アグレッシブに資産を増大させているミリオネア投資家たち。そんな彼らの独自の投資戦略、そして資産形成術と勝負のタイミングを知ることで、億超えへの道を探る!

【IPO投資 Jack氏】
総資産2億4000万円/投資歴29年
直近1年の騰落率 +2000万円

「郵政3社はここまで上昇するとは予想できませんでしたが、天井で売却できました」

 そう語るのは株式投資で2億4000万円の資産を築いたサラリーマン投資家のJack氏。200万円の元手で始めた株式投資で大成功し、著書やセミナーなどで多くのファンを持つカリスマ投資家だ。

 そんなJack氏も、投資を始めた当初は10年かけて800万円の利益という一般的なレベルの成功者だった。ところが、ある投資法を始めたことで資産が突如「カリスマレベル」に到達。その投資法というのが、新規上場する銘柄を上場前に取得するIPO投資である。

 周知のことだが、IPOは上場後の初値が取得額である公募価格を大きく上回ることが多く、初値で売り抜けだけで投資資金が倍になることもある。冒頭の発言にもある郵政3社のような大型上場ともなればなおさらだ。

「公募価格を下回る『公募割れ』は、事前に銘柄を選別しておけば避けられることも多く、ローリスク・ハイリターン投資といえます。日中に相場を見ていられないサラリーマンでもできますしね」(Jack氏)

 これまで、公募価格の3倍以上の初値をつけた比較.com、ロボットスーツで市場の注目を集めるサイバーダインでは37万円の公募価格に対し85万円の初値をつけるなど、手がけた数多くのIPO投資が成功。’15年に入ってからも、PCIホールディングスなど、人気銘柄を手がけた。

 しかし現実には、有望なお宝IPOには人気が殺到し、その配分を受けるには万馬券並みの倍率となってしまうことも。が、IPOには証券会社が決める裁量配分と抽選による配分があり、Jack氏は公募割れしそうな不人気銘柄や手数料の高い投資信託を時には購入して、担当者とのコミュニケーションを重視。少しでも当選確率を上げる努力をしてきたという。

 こうして迎えた’15年の目玉が、郵政3社の新規上場だった。

「大型IPOは新興企業のような一攫千金は期待できないが、公募割れのリスクが少なくうまみは十分。売り出し規模が大きいので配分を受けやすいし、多くの株数を集めれば値上がり幅は小さくても手堅い投資になる」

 というのも5年前。Jack氏は大型上場として注目を集めた第一生命に、当時の資産の半分となる8400万円を投じる人生最大の大勝負に出た。結果、14万円の公募価格に対し、16万円の初値をつけ、1200万円もの利益を獲得した経験がある。

 今回の郵政3社は第一生命を上回る売り出し規模が予想されたので、配分に関しては楽観していた。

「引き受けて証券会社の担当に貢献するぐらいのつもりだったのに、実際にはほとんど集まらなくて慌てました」

 それでもなんとか、ゆうちょ銀行3500株、かんぽ生命200株、日本郵政3000株をかき集めた。いつもなら初値で売るが、今回ばかりは相当人気があると見込んでそのままホールドし、初値からさらに上昇したタイミングで売却。特に上昇が大きかったかんぽ生命は市場でも買い、3社合わせて335万円の利益を得た。

 順風満帆に見えるJack氏の投資人生だが、成功ばかりではない。莫大な含み損を抱えて株価を終日まったく見ない状態になったこともあったし、リーマンショックで大損失を被った苦い経験もある。親族の介護のためトレードできなかった時期もあった。

「自分の得意分野を確立し、ここぞというときには資産を失う覚悟で大勝負をする。これができるようになってから飛躍的に資産が増えた気がします」