8日、札幌ドームの日本×韓国戦で開幕する「WBSCプレミア12」は、野球の世界ランキング上位12カ国が世界一の座を争う、まさに“野球版W杯”である。小久保裕紀監督率いる日本代表=侍ジャパンは、大谷翔平や山田哲人、松井裕樹ら若き実力者をズラリと招集、世界最強の座を目指す。

すると開幕前日の7日、TBS「バース・デイ」では「対談 王貞治×小久保裕紀 師弟の絆 侍ジャパンへの熱き思い」と題し、第一回WBCで監督を務めた王氏と小久保監督による対談の模様を放送した。

「ドラフト1位、2位の選手達が将来的には侍ジャパンのトップチームに選ばれるような選手になりたいって、ほとんどの選手が言ってた。レギュラーシーズンで優勝目指すのは当たり前なんですけど、その先にはトップチームに選ばれて世界一を狙うんだというものが球界に浸透している」。

こう話した小久保監督に対し王氏は「今の選手は凄く羨ましい」と切り出すと、「侍ジャパンの一員として世界の大会に出ていくんだ、日の丸をつけて戦うんだって常に思ってるでしょ。選手達のプロ意識も違うし、今までにない意欲が出てきて侍ジャパンができたことは凄くよかった」としみじみと語った。

すると、WBCで優勝している王氏に、小久保監督は「最初(第一回WBC)、選手達にどういうことを話したんですか?」と質問した。王氏が「同じスタイルの野球をやったら体力のあるところには勝てないということでスモールベースボール、持ち味を出して繋いでいく」と答えると、今度は侍ジャパンの4番候補・中田翔について「(4番は)今まで中田翔にやらせてきているんですけど、国際大会になると少し彼は気負いすぎる部分があってなかなか結果が出てない。何か中田翔にアドバイスはないですか?」と助言を求めた。

「打つべき球と見逃すべき球の見極めがつくようになれば十分。本当の4番バッターは三振しても知らん顔して帰ってくるくらいでいい。そのかわり甘い球がきたら逃さない」と返答した王氏は、中田と4番の座を争う中村剛也にも言及、「打てない時はケロっとして帰って次の打席でポーンとホームランを打つタイプ。ここっていう時に仕事をする点ではいいものを持ってる」と評価した。

対談の最後には、「無言の統率力。これは監督・コーチじゃ無理なんです。同じ場で戦っている選手の中にそういうリーダーがいることが大事」とチームリーダーの重要性を説いた王氏は、大勝負に臨む小久保監督に「あんなメンバーが揃ったんだから、いいところを引っ張り出してやるっていう気持ちで頑張って下さい」とエールを送った。