東京都感染症情報センターはこのほど、8月31〜9月6日の期間中の感染症情報を公開した。

同センターは、医師・獣医師に全数届け出を求める「全数把握対象疾患」などの報告数を定期的に公開している。同報告によると、今年の36週(8月31〜9月6日)の期間中において、東京都で新たに「人食いバクテリア」とも呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が1人(60代)確認された。

これで今年の東京都の保健所での受理数は累計48に達し、全国の報告数は302となった。同感染症の過去最多の患者数は2014年の270人(国立感染症研究所調べ)。今年は既にその数字を上回り、ついに300人を超えた。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症はレンサ球菌によって引き起こされ、同感染症の患者の傷口への直接接触によって感染するとされている。毎年100人から200人の患者が確認されおり、同研究所は致死率は約30%としている。

通常はレンサ球菌に感染しても症状が出現しないことも多いが、まれに普通ならば細菌が存在しない血液や筋肉、肺などの組織にレンサ球菌が侵入し、急激に症状が進行する重篤な疾患になるとのこと。

初期症状としては、発熱や悪寒などの風邪に似たような症状や、手足の痛み・腫れなどが見られる。発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、筋肉周辺組織が死滅するケースもあることが、「人食いバクテリア」と呼ばれるゆえんとされている。場合によっては血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくないという。

全国的な患者が増えていることもあり、インターネット上では

「人食いバクテリアのことを考えるだけで夜も眠れない。世の中には怖いことがいっぱい」

「人食いバクテリアっていうのが最近増えてきてるらしくてそれ聞いた瞬間手死ぬほど洗った」

「人食いバクテリア怖すぎ」

などの不安な声があがっている(コメントは原文)。