これは税金にあらず! 「ふるさと納税」がお得な理由

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税金ではない「ふるさと納税

近年話題の「ふるさと納税」。徹底的に利用している人がいる一方で、「名前は聞いたことがあるけれど、納税とか面倒くさそう」と、ふるさと納税がどのような仕組みなのか知らない人もまだまだ多いかと思います。

まず多くの人が勘違いしているのが「ふるさと納税」は税金を納めることだと思っていることです。ふるさと納税は納税ではありません。「寄付」になります。寄付をして確定申告をすると控除されるという仕組みは、以前よりありました。

そこに2008年より任意の自治体に寄付をすると自己負担額2000円を除く全額が所得税より控除される「ふるさと納税」というものが誕生したのです(控除には収入や家族構成により上限あり)。

「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」として総務省のページでも金額がわかるようになっていますので、自分のケースだといくらまでなら全額控除されるか把握しておくとよいでしょう。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

また寄付する先は、自分が生まれ育った自治体に限りません。、応援したいと思う任意の自治体に寄付することが可能です。また自治体によっては使い道を指定できるものもありますので、より寄付の意志をしっかりと持つこともできます。

■人気の秘密は、特産品など「お礼の品」

ふるさと納税が注目されたのには、寄付した先の自治体からもらえる「お礼の品」もひとつの要因です。寄付した額に対して自己負担額の2000円以外が全額控除され(上限あり)、さらにお礼の品ももらえます。そうなると、これは2000円で、そのお礼の品を手にしたことと同じになるからです。

お礼の品としては、高級温泉宿の宿泊券や和牛、伊勢海老などさまざまに用意されています。

そのため、お礼の品で寄付先の自治体を決めている人も多数。どのようなお礼の品があるのか、各自治体の名前とふるさと納税というキーワードで検索してもよいですが、今はそれらをまとめて紹介している、ふるさと納税お礼の品のポータルサイトも多数あります。検索エンジンで「ふるさと納税」で検索すると出てきますので、気になるかたはチェックしてみてください。

お礼の品の一例をご紹介しますと、

・三重県玉城町:1万円以上3万円未満の寄付で、玉城産松阪肉すき焼き「玉城」(数量限定)
・佐賀県嬉野市:3万円以上で、嬉野温泉宿泊券ペア1泊2食(梅コース)
・愛媛県松山市:3万円以上で、ぼっちゃん島あわび(400g)
・山梨県富士吉田市:3万円以上で、武藤敬司率いるプロレス団体観戦チケット他

■控除額が増え、申告も楽に!

また制度変更により、2015年4月1日以降の寄付を対象に、以下の点が変更となりました。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20150401.html#block02

・全額控除されるふるさと納税枠が約2倍に拡充
ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内であれば、元々確定申告の不要な給与所得者等はふるさと納税の申告も不要に

これらの改正によって、より使い勝手がよくなったふるさと納税。お礼の品を楽しみながら、応援したい自治体を見つけてみてはいかがでしょうか。

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矢野きくの(やの・きくの)●家事・節約アドバイザー。明治大学経営学部卒。人材ビジネス業でのキャリアコンサルタント、家電PCメーカーでのテクニカルサポートを経て現職。女性専門のキャリアコンサルタント経験から、女性が働く為には家事からの改革が必要と考えてキャリアチェンジ。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ、雑誌、講演ほか企業サイトや新聞にて連載。TVクイズ問題の作成や便利グッズの開発にも携わる。著書に『幸せな時間とお金を生み出す! シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『47テーマで学ぶ家計の教科書』(TAC出版)など。
・ブログ「暮らしのクリップ」 http://blog.olsyuhu.net/ ・Facebookページ https://www.facebook.com/kikuno11

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(矢野きくの=文)