アワやヒエなどの雑穀をご飯に混ぜて炊くだけで、白米にない栄養素をカバーすることができます。スーパーでもいろいろな雑穀が混ざった「十穀米」や「十五穀米」などが販売されて、手軽に利用できるようになりました。今回は数ある雑穀の中でも「黒米(古代米)」に注目です。

古代から薬用米として珍重されてきた「黒米」

黒米は、名前の通り真っ黒な色をしたお米です。中国では、古来、薬用米として珍重されてきましたが、最近では白米にはない栄養価が豊富に含まれていることが、科学的に分析されています。黒米には、白米にほとんど含まれないビタミンやミネラルが豊富に含まれるのが特徴。肌や髪の毛を美しく保つだけでなく、活性酸素を除去するアンチエイジング効果や眼精疲労を回復する効果が注目されています。

「黒米」の黒い色はアントシアニンだった

黒米の黒い色は天然色素のアントシアニンが由来です。アントシアニンはブルーベリーにも多く含まれる成分で、眼精疲労に効果的。パソコンやスマホの使いすぎで目が疲れている方には嬉しい成分です。黒米に含まれるアントシアニンの効果はそれだけでなく、体内の活性酸素を除去する強い抗酸化力を持っていると言われています。黒米を食べれば、アンチエイジング効果も期待でき、さらに毛細血管を強くして血流を促すので、動脈硬化などの生活習慣病を予防する働きもあるのです。

「黒米」を炊く時は洗わないのがコツ

黒米のアントシアニンは果皮、種皮の部分に含まれています。白米に混ぜるだけなので簡単ですが、黒米を炊く時のポイントは、洗わないこと。炊く前に洗ってしまうと、アントシアニンが水と一緒に流れ出てしまいます。白米を洗ったあとに、黒米を混ぜてそのまま炊いてください。黒米を混ぜたお米は、キレイな薄紫色に炊き上がります。食卓にいつもとは違う彩りを添えることができますし、お祝いごとの席で使ってもいいですね!

豊富なビタミン、ミネラルで疲労回復にも効果的

黒米は白米と比べて、たんぱく質やビタミンB1、B2、Eなどのビタミンが多く含まれます。これらは、脂肪を燃焼させ肝機能を維持するために欠かせない栄養素で、疲労回復にも効果的なのです。また、黒米には鉄分や亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富。いろいろな栄養素が含まれているので、不足しがちな栄養を補うためにも、黒米を使ってみてはいかがでしょうか。カレーの時のごはんを黒米にするととっても美味しいですよ!


writer:岩田かほり