◆2丁目でおすすめのお店は?

土屋:元に戻ると、初めて行くなら観光バーがオススメなんですか?

櫻田:いや、観光バーも面白いとは思うけど、もっといろんな種類のバーがあるので。

坂本: 観光バーは、値段が高いイメージがあるんですよねぇ。チャージが数千円だったり。だから、何軒か回るのがいいんじゃないですかね。1軒目でこんなもんだと思わずに、スマホなんかで情報を検索してみて。最初は観光バーとか名前を知ってる人のお店でもいいかもしれないけど、そこでほかのお店を聞いてみるとか。

櫻田:初めて行くバーとしては、チャージが無いバーがあるので、そこがオススメかもしれませんね。

坂本: 私の場合は、初めての方には「九州男(くすお)」というバーを紹介するんですよ。女の子も入れて、お店の人が何してくれるわけじゃないんだけどゲイ的な雰囲気もあるし、お店の雰囲気もいいし。それから、ゲイバーではないんですけど、「ココロカフェ」というところは食事もおいしいですし、初心者はそこでごはんを食べて、フライヤーとかチラシが置いてあるのでそこで情報を仕入れてからいくのもいいかもしれません。あそこ、レトルト食品を使ってないんですって。だから仕込みに時間がかかるんだけど、美味しいんですよ。あんまり2丁目でごはんってイメージないじゃないですか。でも、いいですよぉ。

櫻田:僕のやっているバー「星男(ほしお)」は女性が多くて、アートが好きな人が集まっているので、セクシャリティや性的指向に関係なく友達になれます。

土屋:なるほど。2丁目に遊びに行く時の覚悟として聞きたいのですが…。

坂本:そんな重い感じで来ちゃうと(笑)! 普通の飲み屋じゃないですか。

櫻田:ぜんぜん普通の飲み屋!!

坂本:土屋さんは何を「覚悟」だと思ってるのかしら?

土屋:バイセクシャルにさせられるかも…と思ってから行った方が良いのですか? その気がなければひやかしはやめて!とか思われるのですか?

櫻田:バイセクシャルにはさせられませんよ、大丈夫です。

坂本:でも、「ゲイが主役の街」なので、エラそうかもしれませんが謙虚な気持ちで来てほしいですね。特に女性に多いのですが、「お金落とせばいいんでしょ」みたいな感じで来られる方もいるので。

土屋:なるほど! なんか安心してきました。なんか2丁目に遊びにいくうえで暗黙のルールみたいのってあるんですか?

坂本:安いお店に、お酒1杯で延々いるとかはやめてほしいですよね(笑)。8時オープンで1杯だけで終電までとか! あと、世間的にオネエキャラブームなので、オネエは何でも話を聞いてくれると思ってるみたいで、女子なんかは「ちょっと聞いて…」って重いトーンで来たりするんですよ。でも、ああいうのも人によっては苦手なんで。あとはゲイしか入れないのに「いいでしょ、入れてよ」って来ちゃうとか。

櫻田:そう、お店の種類によっては、ゲイしかいないバーもあるんですよね。女性が入れなかったり、ノンケと言われる人がほとんどいないようなところとか。それから、やっぱりゲイの出会いの場なので、その辺は頭に入れておいて欲しいですね。隠している人も多いので!

坂本:2丁目に行ったからと言って、全員がカミングアウトしてるわけじゃないんですよ。

櫻田:普段は隠していて、2丁目では、“やっと自由にできる”という人たちもたくさんいるんです。

坂本:だから、本名とか会社とか立ち入ったことはあまり聞かない方がいいかもしれません。周りに内緒で地方から来た、なんて人もいますし。

櫻田:そうですね。特にサラリーマンとかお勤めしてる方は隠している方が多いので、立ち入ったことは、最初から聞かないほうがいいですね。

土屋:そうか、お店の人と喋るだけじゃなく、お客さんとも話す場なのですね。