脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「世界が多様になるほどに、言葉が大切になっていく」と題した動画を公開した。動画では、現代社会における「メジャー」の概念の変容と、多様化する世界において「言葉」が果たす重要な役割について、自身の見解を語っている。

高校生や大学生と話す中で、「メジャーという基準が全くズレてきている」と感じたと語る茂木氏。かつてのコスプレはアニメキャラクターが主流だったが、現在はゲームやVTuberが台頭していると指摘する。一方で、上の世代や地上波テレビの視聴者にはVTuberが認知されていない現状を挙げた。逆に、AI研究の分野で著名なサム・アルトマンやマーク・ザッカーバーグらも、一般的なテレビ視聴者には知られていないと語る。

これらの事例から「メジャーってないよなと、この世界に」と断言。文学や音楽のトレンドもコミュニティごとに細分化されており、かつてのような「誰もが知っているヒット曲」が存在した時代は、単に「メディアの寡占があったから」だと分析した。現在はインターネットを通じて各々が好きなものを追う時代であり、それ自体は「素敵なこと」だと評価している。

そんな多様化が進む現代において、「唯一残っているメジャーなものが、僕は言葉だと思っている」と主張。音楽やゲームなど、異なるジャンルを横断して共通しているのは「日本語」などの言語基盤であると説明し、コミュニティを繋ぐ「接着剤」としての言葉の重要性を強調した。

最後に、人々は多様性を求める一方で、お互いを繋ぐものを求めていると言及。「日本国内でも色々分裂しちゃってるんだけど、それでも我々が安心して生きていられるのは日本語っていうものがあるから」と述べ、「世界が多様になればなるほど、言葉は大事になっていくんだろう」と視聴者に語りかけ、動画を締めくくった。

チャンネル情報

一人ひとりの「個性」が活かせて、「自由」で、「創造的」な生き方ができるように、応援するような発信をしていきたいと思います。複雑な現代を生きるための、科学、社会、本、音楽、映画、文化、芸術、人間、コメディを扱う総合的な脳の教養のチャンネルです。人間の脳のこと、人工知能のこと、創造性のこと、個性のことなどを考えます。