脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「読書の教養で、自分の行動を全体最適にする」を公開した。動画では、急速に発展するヒューマノイドロボットやAI技術を引き合いに出し、人間が本を読み、教養を深めることで「全体最適」を目指す重要性について提言している。

茂木氏は、今年注目を集めているフィジカルAIやヒューマノイドロボットが街中にあふれる時代が来るかもしれないと予測。その際、従来の大規模言語モデル(LLM)をどのようにヒューマノイドに接続するかが興味深い問題だと語る。「人間の場合は、どういう本を読んできたか、どういうものに接してきたかでその人の行動が変わる」と述べ、クラシック音楽や演歌、ライトノベルなど、触れてきた文化によって世界モデルが異なり、それが行動に表れると指摘した。

さらに、現在のLLMは夏目漱石やジェイムズ・ジョイスから漫画まで、ありとあらゆるデータを取り入れており、「人類全体の統計的な黄金律みたいになっている」と評価。一方で、生身の人間は接しているジャンルが偏っており、「部分最適はされているかもしれないが、全体最適はされていない」と語った。AIの倫理学習に関しても、「下手に人間の学習をしてしまうとまずい」とし、人類全体の最適な部分を抽出する「CEV(Coherent Extrapolated Volition)」という概念を紹介している。

最後には、我々人間も「部分最適化」にとどまるべきではないと主張。「好き嫌いなくいろんなものを読んだ方がいいのは、世界モデルが豊かになっていろんな変化に対応できるようになるから」と述べた。そして、「全体最適を生きるっていうのは人生の1つの面白い目標」と語り、読書を通じて多様な知識に触れ、自己をアップデートしていくことの意義を強調して動画を締めくくった。

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