脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「「時間よ止まれお前は美しい」のほんとうの意味」を公開した。動画内で茂木氏は、ゲーテの戯曲『ファウスト』に登場する有名なセリフを引き合いに出しつつ、人生の意味や美しさは特別な経験の中ではなく、日常のふとした隙間時間にこそ存在するという独自の見解を語っている。

毎日を忙しく生きる現代人にとって、人生の意味とは何かを考える機会は多い。しかし茂木氏は、「人生の意味とはなんだろうね、生きるってなんだろうね」と長時間考えたところで「答えが出るのかというと、ま、そんなこともないんだろうと思う」と指摘する。むしろ、忙しく立ち回る中で、ふと手を止めた時や、仕事を終えて歩いている時に感じるものこそが、人生の美しさにつながると説明した。

さらに茂木氏は、生きていく上で避けては通れない「雑用」の重要性に言及。「一つ一つは雑用に思われるかもしれないんですけど、それを積み上げていくとすごく大きな変化になったりする」と語り、弁当作りや掃除、洗濯といった日々のルーティンが、実は精緻なシステムであり、生きる上で非常に大切な行為であるという説を展開した。

動画の後半では、ゲーテの『ファウスト』に触れ、あらゆる学問を極めたファウスト博士が悪魔メフィストフェレスと交わした「時よ止まれ、お前は美しい」と言った瞬間に魂を渡すという契約を紹介。ファウスト博士は特別な経験を求めて恋や政治に手を出したが、茂木氏は「特別な時間じゃないんだよ。隙間から入ってくるんだよ、後ろから入ってくるんだよ」と述べ、偉人のように特別な経験を追い求める必要はないと断言した。

最後に茂木氏は、日常の忙しい生活の中でふと訪れる隙間の時間こそが大切だとし、「それが素晴らしい時間なんで、僕はそれでいいんじゃないかなと思っています」と語り、何気ない日常を肯定する温かいメッセージで動画を締めくくった。

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