治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「『タトゥー入れてるヤツは全員バカ』なのか、元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、彫師のYouTuberが発した発言を入り口に、小比類巻氏の警察時代の経験や海外の心理学研究を交え、タトゥーを入れる人々の心理的特徴について解説している。

冒頭、小比類巻氏は彫師歴20年以上のYouTuber・しげちさんの「刺青・タトゥー入れてる奴は全員バカです」という発言を紹介。警察官としてタトゥーを入れた犯罪者を数多く取り扱ってきた自身の経験から、「全員がバカとは言えないが、タトゥーを入れたバカを多く扱ってきたのは事実だ」と見解を述べた。一方で、社会的に成功しているタトゥー保持者も存在するとし、この問題を心理学や行動科学の観点から掘り下げた。

小比類巻氏は、海外で実施された複数の研究結果を提示する。ヨーロッパの成人1006人を対象にした調査では、タトゥーのある人物は運動性や衝動性が高く、リスクを取る傾向が強いことが判明したと語る。また、「時間選好」に関する研究にも触れ、タトゥーのある人は将来の利益よりも現在の利益を重視する傾向があることを指摘。「1年後の100万円よりも、目の前の10万円を選ぶ」と分かりやすく解説した。さらに別の調査では、タトゥーの面積が大きいほど、衝動を抑えにくい「脱抑制」が高いというデータが示されたことも明かした。

しかし小比類巻氏は、タトゥーの有無だけで明確に問題行動を予測できるわけではなく、全体で比較した際の差は小さいと補足する。さらに、タトゥーが一般化している欧米と、プールや温泉の利用制限など社会的な制約が強い日本とでは事情が異なると指摘。「欧米の研究結果をそのまま日本人には当てはめられない」と述べ、日本におけるタトゥー保持者の特異な心理的傾向を解明する、さらなる研究の必要性を示唆して動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。